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代表取締役社長 永守重信

2016年度上半期は利益の全項目で過去最高を更新
営業利益率15%を目指して収益力は著しく向上

  2016年度上半期の売上高は前年同期比4%減収の5,640億円となりました。一方で営業利益は大幅な収益改善によって円高の影響を跳ね返し、前年同期比16%増益の690億円となり上半期として過去最高を更新しました。税引前利益や純利益でも過去最高を更新し、利益の全項目で過去最高を更新しました。上半期の業績が想定を上回る実績となりましたので、通期の業績予想を見直しました。為替や市場環境に左右されにくい事業ポートフォリオや収益構造の構築が着実に進んでいます。

2015年度上半期 2016年度上半期 増減率 2016年度
通期見込
売上高 5,874億円 5,640億円 -4% 1兆2,000億円
営業利益 596億円 690億円 +16% 1,350億円
営業利益率 10.1% 12.2% - 11.3%
税引前利益 621億円 663億円 +7% 1,330億円
純利益 469億円 501億円 +7% 1,000億円
1株当たり純利益 158円 169円 +7% 337円
配当金 40円 40円 - 85円

  収益性が大きく改善した最大の要因は、“One Nidec” のスローガンのもと推進してきた「グループ一体化」の経営効果がじりじりと具現化しつつあることです。まず営業拠点の同床化や倉庫の統合などに加えて、会議の方法を工夫するなどで社員一人ひとりが仕事の効率化を図り、販売及び一般管理費を前年同期比で大幅に削減することができました。また購買をグローバルに一元管理することにより部材調達コストを大きく削減できました。さらに自社工場のスマートファクトリー※化を進め、大幅に生産性を改善しました。その結果、粗利率は前年同期比1%強改善しています。特にこの上半期は生産事業所の検査工程において自社グループで開発・製造した自動化設備を導入したことが奏功しました。このような「グループ一体化活動」はまだ始まったばかりで、今後さらに大きな効果が期待できます。

※スマートファクトリー … 人間に頼らず機械だけでモノづくりをする工場


配当額の向上に引き続き取り組む

  当社は「会社は株主のもの」との視点から、株主の負託に応えるべく高成長、高収益、高株価の長期的な維持と向上に努めています。それは成長への飽くなき挑戦を続ける当社の基本姿勢です。株主への配当については配当性向30%を見据えて安定配当を維持しつつ、業績に応じて配当額の向上に努めています。今回の業績予想の修正を踏まえ、期末配当金予想を従来の40円から5円増配の45円に引き上げました。今後も当社株価の推移や個人株主の動向などを勘案し、適宜株主還元施策に取り組んでいきます。

中期戦略目標 「Vision 2020」の達成確度は益々高まる

  2015年4月に発表した中期戦略目標「Vision 2020」は2020年度に売上高2兆円、営業利益率15%以上、株主資本利益率(ROE)18%以上を目指すものです。2015年度実績から約8300億円の売上高成長が必要となりますが、半分を自律成長、残りの半分はM&Aで目標達成を目指していきます。

  重点2事業と定める車載事業、並びに家電・商業・産業用事業の見通しは当初の想定を上回るペースで進捗しています。まず、車載事業は売上高の目標を7,000億円~1兆円(新規M&A約5,000億円を含む)としていますが、現時点で自律成長だけでも売上高6,000億円の達成が視野に入ってきています。次に家電・商業・産業用事業は売上高目標を4,000億円~6,000億円としていたところ、8月に買収を発表したエマソン欧州事業の寄与もあり、こちらも既に6,000億円の達成が視野に入ってきています。営業利益率に関しても、これら重点2事業は第1四半期で両者揃って10%を達成したばかりでしたが、第2四半期においても改善が進みそれぞれ11%となりました。一方、精密小型モータやその他の製品グループは既に15%を超えてきており、2020年度営業利益率15%の達成に向けた手応えと自信を深めています。 





  重点2事業に加えて、今後大きな成長が見込まれる新分野への参入を考えています。現在、過去に経験したことのない技術革新の波が世界中に押し寄せてきており、クルマの自動運転や、インターネットオブシングス(IoT)、ドローン、バーチャルリアリティー(VR)など、今までと全く違った技術が必要とされる新たな市場が続々と誕生しています。 当社は、コアとなるモータ駆動技術に通信技術などを加えることで新たな付加価値を創出し、これら新分野に果敢に挑戦するとともに、ソリューションカンパニーへと進化していきます。

2030年度10兆円の大ボラを夢に変えていく

  売上高10兆円というのは今は大ボラです。しかし、1973年に4人で創業した時はゼロからのスタートでした。その後売上高100億円、1,000億円、1兆円の大台を超えてきました。不思議なことにそれぞれの大台超えに要した年数はほぼ同じです。そして、一番苦しかったのはゼロから10億円までの道のりでした。それを考えると2030年度に10兆円というのは決して不可能とは思いません。ホラは大ボラであってもいつか必ず実現すると私は信じています。実現に向けてまずは大ボラを小ボラに、小ボラを夢に変えていきたいと思います。 






  そのためには基礎研究開発力、生産技術力、グローバル人材の3つが鍵と考えています。基礎研究開発力については2012年6月に中央モーター基礎技術研究所を、生産技術力については2015年10月に生産技術研究所を開設し、現在けいはんな学研都市に新棟を建設準備中です。この生産技術研究所の設立には、将来必要となる基盤技術を構築することと、各事業部、関係会社、開発センターが現在直面している品質や生産技術に関する問題を解決するという2つの目的があります。最後に、グローバル人材については、2016年5月に国内外の日本電産グループから選抜した経営幹部候補を対象に「グローバル経営大学校」を開校しました。2017年3月には「日本電産株式会社 本社ANNEX グローバル研修センター」が竣工し、国内外から集まった多くの受講者が一堂に会する研修を実施していきます。





  今後も慢心することなく、気概と執念を持って10兆円企業に向けた新たな挑戦への道を歩んでいきたいと思います。株主・投資家の皆様には今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

以上


2016年11月


代表取締役会長兼社長(最高経営責任者) 永守重信