経営情報

トップメッセージ

代表取締役社長 永守重信

2016年度は売上、利益の全項目で過去最高を更新
中期戦略目標の達成に向けて、成長スピードはどんどん加速する

  2016年度の売上高は前年度比2%増収の1兆 1,993億円、営業利益は同18%増益の1,394億円 となり、それぞれ過去最高となりました。また、税引前利益は前年度比21%増益、当期利益は同23%増益となり、それぞれ過去最高を更新しています。なお当期利益は初めて1,000億円の大台を突破することができました。 2017年度の業績は売上高を1兆4,500億円、営業利益を1,700億円と見込んでいます。車載事業では、主力となる電動パワステ用モータや先進運転支援システム用センサーなどが牽引役となり業容を益々拡大しています。また家電・商業・産業用事業では、昨年度買収したエマソン社欧州事業の本格的な業績貢献が始まります。これらの要因を背景に2017年度は売上高、営業利益ともに増収、増益で過去最高となる水準を見込んでいます。

2015年度 2016年度 増減率 2017年度
通期見込
売上高 1兆1,783億円 1兆1,993億円 +2% 1兆4,500億円
営業利益 1,177億円 1,394億円 +18% 1,700億円
営業利益率 10.0% 11.6% - 11.7%
税引前利益 1,172億円 1,414億円 +21% 1,630億円
当期利益 899億円 1,110億円 +23% 1,280億円
1株当たり当期利益 303円 374円 +23% 432円
配当金 80円 85円 - 95円


配当額の向上に引き続き取り組む

  当社は「会社は株主のもの」との視点から、株主の負託に応えるべく高成長、高収益、高株価の長期的な維持と向上に努めています。それは成長への飽くなき挑戦を続ける当社の基本姿勢です。株主への配当については、配当性向30%を見据え、安定配当を維持しながら当期利益額の状況に応じて配当額の向上 に努めています。2016年度の配当額は前年度比5円増額 の85円でした。2017年度の配当予想は95円と前年度比 10円増配を予定しており、増配基調を継続しています。 今後も当社株価の推移や個人株主の動向を勘案しつつ、 適宜株主還元施策に取り組んでいきます。

中期戦略目標 「Vision 2020」の達成確度は益々高まる

  2015年4月に発表した中期戦略目標「Vision 2020」は2020年度に売上高2兆円、営業利益率15%以上、株主資本利益率(ROE)18%以上を目指すものです。

重点2事業の車載事業、並びに家電・商業・産業用事業の見通しは当初の想定を上回るスピードで進捗しており、それぞれ既に売上高6,000億円の達成が視野に入っています。 さらに精密小型モータ事業でも成長スピードが加速しています。同事業では当初の売上高目標を4,000億円~ 6,000億円としていましたが、HDD用モータの底堅い需要 に加えて触覚デバイス用途をはじめとした新分野への進出が益々進み、売上高目標の上限であった6,000億円が視野に入りました。 

 

また営業利益率15%達成に向けては売上高総利益率の改善が鍵になると考え、戦略的な取り組みを開始しています。2016年度の売上高総利益率は23.8%と、前年度比約1%改善しました。 今後の目標は、2020年度の売上高総利益率を31% 以上へと高めることです。具体的な取り組みとしては、 グループ横断による部品内製化の拡大や、グローバル一元 管理による共通購買活動を通じた材外費の低減活動を 本格的に開始します。さらに生産事業所の自動化を加速します。例えば人間の作業に置き換わるi611※や自律的 に走行して搬送作業を行うS-CART※を導入して、直接労務費の低減にも着手します。このような取り組みを今後着実に実行し、売上高総利益率改善をベースとした 営業利益率15%の達成狙います。 

重点2事業に加えて、今後大きな成長が見込まれる新分野への参入やモジュール化への取り組みを加速させます。現在、過去に経験したことのない技術革新の波が世界中に押し寄せてきており、クルマのEVへのシフトや自動運転、インターネットオブシングス(IoT)、ドローン、バーチャルリアリティー(VR)など、今までと全く違った技術が必要とされる新たな市場が続々と誕生しています。 当社は、コアとなるモータ駆動技術に通信技術などを加えることでモジュール化を進めるとともに新たな付加価値を創出し、これら新分野に果敢に挑戦するとともに、ソリューションカンパニーへと進化していきます。



※i611・・・・ 当社が手掛ける小型・軽量の産業用ロボット
※S-CART・・・当社が手掛ける無人搬送車(ガイドレス走行)

2030年度10兆円の大ボラを夢に変えていく

  売上高10兆円というのは今は大ボラです。しかし、1973年に4人で創業した時はゼロからのスタートでした。その後売上高100億円、1,000億円、1兆円の大台を超えてきました。不思議なことにそれぞれの大台超えに要した年数はほぼ同じです。そして、一番苦しかったのはゼロから10億円までの道のりでした。それを考えると2030年度に10兆円というのは決して不可能とは思いません。ホラは大ボラであってもいつか必ず実現すると私は信じています。実現に向けてまずは大ボラを小ボラに、小ボラを夢に変えていきたいと思います。 






そのためには基礎研究開発力、生産技術力、グローバル人材の3つが鍵と考えています。基礎研究開発力については2012年6月に中央モーター基礎技術研究所を、生産技術力については2015年10月に生産技術研究所を開設し、現在けいはんな学研都市に新棟を建設中です。この生産技術研究所の設立には、将来必要となる基盤技術を構築することと、各事業部、関係会社、開発センターが現在直面している品質や生産技術に関する問題を解決するという2つの目的があります。最後に、グローバル人材についてです。2017年3月に新しい研修センターが完成し、研修制度を益々充実させています。2016年度に国内外の日本電産グループから選抜した経営幹部候補を対象に「グローバル経営大学校」を開校しました。2017年度は第2期グローバル経営大学校と、対象階層を広げた「次世代グローバル経営人材育成プログラム」を同時に実施します。





  今後も慢心することなく、気概と執念を持って10兆円企業に向けた新たな挑戦への道を歩んでいきたいと思います。株主・投資家の皆様には今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

以上

2017年11月

代表取締役会長兼社長(最高経営責任者) 永守重信