E/環境

製品による環境貢献

世界で発電される電力の約半分はモータが消費していると言われています。現在そのモータの大半はACモータやブラシ付きDCモータといったエネルギー効率の低いモータが占めています。
日本電産は、エネルギー効率の高いブラシレスDCモータを世界にお届けすることにより、モータ全体のエネルギー効率を高め、電力消費量の削減に貢献していきます。さらに、再生可能エネルギーの普及を支えるソリューションも提供。グローバルな省エネルギー・脱炭素の一翼を担っています。

“省エネルギー・脱炭素”への要請に応える

2015年12月にパリで開催された気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)では、2020年以降のCO2排出削減に向けたグローバルな枠組みである「パリ協定」が採択されました。これを受けた各国の動きは一様ではありませんが、中長期的に“省エネルギー・脱炭素”を目指すという方向性は国際的に確立されたと言えます。

世界No.1の総合モーターメーカーである日本電産グループにとって、よりエネルギー効率の高いモータを世界に供給することは、最も基本的な社会的責任のひとつと考えています。また、再生可能エネルギーの分野においては、当社グループの持つスマートグリッド技術を活用して、発電・変電・配電などの場面での効率的な電力運用を目指しています。

2016年度より開始した環境保全活動 第五次中期計画では、当社グループ製品が実際に使用される時の温室効果ガス削減効果を「環境貢献量」として数値化していきます。これにより、環境貢献量と売上・利益の相関関係が“見える化”され、事業成長と環境貢献の一体化を図ることができます。最終的には製品使用時の環境貢献総量が、事業活動過程で排出される環境負荷総量を上回る状態を目指します。

高効率・省エネモータの提供

車載用モータ

EPS用モータ

自動車のCO2排出量削減の鍵は、エンジンの負荷を抑え、燃費を改善することにあります。世界の多くの自動車メーカーは、こうした視点からEPS(電動パワーステアリング)の採用を推進。油圧式パワーステアリングからEPSに置き換えることで、約5%の燃費向上が見込めます。

DCT用モータ

トランスミッションには、AT(オートマチックトランスミッション)並みの操作性を保ちつつ燃費性能を高めることができるDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を採用するトレンドが欧州と中国を中心に顕在化してきています。DCTはATと比べ約9%の燃費向上が見込めます。

電動オイルポンプ用モータ

駐停車や信号待ちなどの間にエンジンを停止させるアイドリングストップ機能も約5-8%燃費向上の効果があります。これを実現するには、ポンプ類を電動化し、エンジンが止まっていてもトランスミッションの油圧を維持することができる電動オイルポンプ用モータが必要です。

当社グループは、これらの燃費向上に効果があり、CO2や大気汚染物質の排出低減に繋がる製品群を自動車メーカーに供給していきます。

大型車両用SRモータ

日本電産グループは、建設用重機、鉱山・農業用車両といった産業用車両を駆動するSR(Switched Reluctance)モータ※の開発・生産にも注力しています。車両走行用の駆動力に、従来のエンジンではなく、SRモータを使用します。
産業用車両の作業部分には油圧が使われており、その油圧を高めるためのエンジンが搭載されています。このエンジンを利用して発電した電力をバッテリーに蓄え、その電力を使うことで非常にエネルギー効率の高いシステムとなります。こうして、車両稼働時の大幅な省エネ・CO2排出量削減を実現しています。

※ SR(スイッチド・リラクタンス)モータ:磁石を使用しない(レアアースを必要としない)モータ

EV・HEV駆動用SRモータシステム(SiC搭載インバータ 一体型SRモータシステム)

日本電産グループは、従来のSi(シリコン)半導体よりも低損失、高耐圧、高温動作といった優れた特長を持つSiC(シリコンカーバイド)半導体素子を搭載したインバータを開発しました。
さらに、インバータとSRモータを組み合わせてデバイスとして一体にし、小型化、軽量化しました。インバータにSiCを使用することで電力損失を大幅に減らすことができ、軽量にしたこともバッテリーの消費電力改善につながります。こうした特長により、EVやHEVのバッテリーの電力消費を極小化することでCO2排出量の削減に大きく役立っています。

インバータエアコン用モータ

世界的に普及拡大が進むエアコンは、インバータによりモータの回転数を制御することで大幅な省エネや風量制御が可能となり、省エネで静音、快適なエアコンへと進化し続けています。
そのインバータ・エアコンに欠かせないのが、当社グループが強みとしているブラシレスDCモータです。 中国やタイを始めとするアジアを中心に生産体制を整え、送風モータや、インバータ回路と組み合わせてモジュール化した高効率モータを、世界各国のエアコンメーカーに提供することにより、各国の消費電力削減に貢献しています。

IE3(プレミアム効率)対応高効率モータ

日本では、産業部門の総消費電力量の約75%が産業用モータに起因すると推計されています※1。現在、国内で使用されている産業用モータのほとんどがIE1(標準効率)レベルですが、IE3(プレミアム効率)対応モータに全て置き換わると年間155億kWhもの消費電力削減ができるとも試算されています※2。こうした状況は、世界の多くの国々でも共通しています。当社グループは、2011年からIE3と同等の性能を持つ米国NEMA※3規格に対応した産業用モータ「NEMAプレミアムモータ」を生産し、2014年9月からは規制に先駆けてIE3を満たすモータの供給も開始。さらに、効率面でその上を行くIE4、そしてIE5のモータも開発し、世界の産業設備の省エネ・CO2削減を大幅に向上させる取り組みを進めています。

※1、※2 一般社団法人 日本電機工業会「トップランナーモータ」
※3 NEMA:米国電機工業会

上記のグラフは、日本電産テクノモータのMighty Econoモータ(IE3対応)による省エネ・CO2削減量を評価したものです。7.5kW4P 50Hzのモータを1日10時間、週5日で1年間稼働した場合の効果として算出しています。使用台数と稼働時間が増えれば、得られる効果はより大きくなります。

再生可能エネルギーシステムの提供

電力の安定供給と低炭素社会の実現に貢献

再生可能エネルギーの発電、蓄電、送配電までを一貫して手掛ける日本電産ASIは、病院やショッピングモールといった大型施設だけでなく、地方の小さな村などの遠隔地にも、確実かつ安定的に低コストの電力を供給するシステムソリューションを提供しています。
スマート・マイクログリッド・プロジェクトでは、太陽光、風力等各種発電システムと蓄電池を統合し、電力の最適管理を可能にするマイクログリッド技術を開発しました。この技術を利用して、世界各地の電力供給が不安定な地域に、安定した電力をお届けしています。
BESS(Battery Energy Storage System:電力貯蔵システム)プロジェクトでは、地域電力網内の余剰電力を一時貯蔵し、電力不足時に放出することで電力の安定供給を可能にする電力貯蔵システムを開発・提供しています。


チリのマイクログリッド・システム

ドイツの電力貯蔵システム


イタリア・シシリー島チミンナ郊外に設置された太陽光発電プラント

Project report

スマート・マイクログリッド・ソリューション

南米チリを貫くアンデス山脈の中、海抜3,660mの高地にオヤグエという村があります。当社はこの過酷な環境下において、太陽光発電や風力発電などの不安定な発電を補完するための大規模蓄電システムを設置。さらに、既に設置されていたディーゼル発電機と統合することで電力の安定供給を可能にするプロジェクトをスタートしました。
必要な電力を24時間絶え間なく供給することで、オヤグエ村では夜でも読書ができるようになり、テレビや冷蔵庫など家電の普及も順調に進んでいます。

世界最大級のBESSプロジェクト

日本電産ASIは昨年11月、総容量90MWを誇る世界最大級のBESS(電力貯蔵システム)をドイツの大手電力会社シュテアグ社(STEAG)に納入しました。このプロジェクトでは当社の大規模電力貯蔵システムを6基使用することで、再生可能エネルギーの活用が進むドイツ国内の送電網の安全性や効率を改善し、温室効果ガス排出量の抑制や電力費用の削減に大きく貢献しています。
当社は引き続き、電力貯蔵システムの信頼性、電力貯蔵能力、価格・費用を改善し、再生可能エネルギーの利便性を向上させる、信頼性の高いエネルギーインフラの開発・統合を目指します。

環境配慮設計の製品紹介

各商品を事例にどのように環境に配慮した設計を行なっているか、どのような効果が得られるかについてまとめています。

環境配慮設計製品の受賞事例

持続可能な社会の実現に向けた「環境経営の発展」や「環境文化の創造」を目的として、全国の企業、団体が優れた環境経営の実践やその成果を表彰しています。

ブラシレスDCモータが環境に果たす役割

ブラシレスDCモータには、省エネルギー、長寿命、小型・軽量、低騒音など、環境面において多くのメリットがあります。