開発ストーリー

カメラ&レーダーによる運転支援

ドライバーの安全運転を支える先進運転支援システムの
センシングを担うカメラ&レーダーのさらなる高機能化

近年、自動車にはドライバーが安全に運転を行えるように、さまざまな先進運転支援システム(ADAS)が搭載されています。レーン・キープ・アシスト(車線維持支援)、アダプティブ・クルーズ・コントロール(車間距離制御)、オートノマス・エマージェンシー・ブレーキ(自動緊急ブレーキ)など、これらの先進運転支援システムに使用されるセンシングデバイスがミリ波レーダーやカメラ、レーザーレーダーなどです。カメラやレーダーによって取り込まれた情報から道路の白線や障害物・先行車などを検知。先行車との距離が近くなればアクセルを緩め、さらに近くなればブレーキをかけるという動作をシステムがドライバーに代わって行います。いわば人間の目と頭脳の代わりをする訳ですが、現実には夜間・降雨・霧などさまざまな状況の変化があり、そうした厳しい状況の中で対象物を正確に検知する必要があります。

ミリ波レーダーやカメラなどで先行者・歩行者・白線などを検知し、ドライバーの安全な運転を支援するシステム

センシングデバイスにはさまざまな種類がありますが、日本電産エレシスが選択したのはミリ波レーダーとカメラの組み合わせ。先行車検知の場合、カメラで先行車を見つけてレーダーで距離を測り、アクセルを緩めたりブレーキをかけたりしますが、カメラのバックエンドでは画像認識システムが機能し、映像の中から先行車を認識します。レーダーは77GHzの周波数帯のミリ波の周波数をFMCW(周波数変調連続波)方式を用いて時間的に変化させ、送受信することで先行車の距離と速度を測ります。レーザーと異なり雨・雪・霧に強いミリ波レーダーですが、レーダー開口部を遮る物質の影響を受けやすいため、ホーンアンテナを採用して送受信の感度を上げています。レーダーのバックエンドでも検知アルゴリズムを実装したソフトウエアが働き、複数の目標の峻別を行います。

カメラとレーダーの融合で、夜間・降雨・降雪・霧などの悪条件でも正確に目標を検知し、運転支援システムが必要とする情報を提供する。

運転支援システムには他にもさまざまな安全システムがありますが、それらの機能を十全に働かせるためにはセンシング能力をさらに向上させていく必要があります。同時に、運転支援システムの普及にはセンシングデバイスのコストダウンも不可欠です。たとえば、レーダー用ICを例に取れば、初期のGaAs素子からSiGe素子へと進化して価格も下がっていますが、シリコン製C-MOS素子が量産されれば、価格も劇的に下がるといわれています。同時に、カメラの解像度向上と低価格化も進むとされています。日本電産エレシスはこうした技術の進化を見越してカメラとレーダーを一体化することでコストダウンを実現。運転支援システムのさらなる普及を推進していくことを計画しています。

カメラとレーダーを一体化することでコストダウンを実現。運転支援システムを導入しやすい環境作りを推進。

開発者からのコメント

ミリ波レーダー素子がC-MOS化されると飛躍的なコストダウンが実現します。また、カメラレンズのプラスチック化が進むとこちらもコストダウンが進みます。センシングデバイスのコストダウンによって、たとえば自動車の周辺360度をセンシングすることが可能になり、現在のADASから複数の機能を連携させたより高位のレベルの自動化が達成され、その延長線上にある自動運転に向かうと予想されています。日本電産グループとしてはセンサ・モータ・制御というアセットを大いに活用して、ADASの高度化に取り組むと同時に、自動運転の実現を目指して自動車の安全・安心推進に大きく寄与していこうと考えています。