開発ストーリー

電動オイルポンプ

自動車の省燃費化の鍵をにぎるハイブリッド・EV走行や
アイドルストップなどを可能にする電動オイルポンプ

1970年代の中東石油危機を契機にはじまった自動車の省燃費化の流れは21世紀に入ってますます強まり、世界各国で段階的に燃費規制が強化されつつあります。厳しい燃費規制に対応すべく、自動車メーカーはさまざまなコンセプトやメカニズムを考案しています。バッテリーとモータで走行するEVカー、エンジンとモータを併用するハイブリッドカー、停車時にエンジンを停止するアイドルストップシステムなどは、燃料を消費するエンジンを積まない、あるいはエンジンの使用領域を減らすという解決法ですが、従来使用してきたメカオイルポンプが機能しないという共通した問題を抱えています。そこで新たに登場したのが電動オイルポンプです。

ハイブリッド・EV走行、アイドルストップなど省燃費システムに共通するのは従来使用してきたメカオイルポンプが使えないという課題。それを解決するのが電動オイルポンプ。

2013年に日本電産トーソクが市場投入したのはハイブリッド車向けの電動オイルポンプです。エンジン休止中にオイルを供給するポンプで高電圧・高油圧・大流量(100V・1MPa・10L/min)の特長をもち、同タイプの他社製品の効率を25%上回る業界トップクラスの効率を実現しています。高効率のブラシレスDCモータを使用するだけでなく、インバータに独自の制御ソフトウエアを組み込んだことで、センサレスながらモータを高速起動させることに成功。ポンプには内接ギアポンプを採用しており、軸受構造を見直すことでポンプのトルクロスを減らし、ギアの揺動低減で振動・騒音も大幅に減少しています。

高効率ブラシレスDCモータ、独自制御ソフトウェアで高速起動を可能にするインバータ、低騒音を実現した内接ギアポンプなどを採用し、業界トップクラスの性能を実現。

アイドルストップから減速時にエンジンを停止するコーストストップ、加速後慣性走行中にエンジンを停止するセーリングストップなど、エンジン停止領域を拡大してより低燃費化を追求すべく、自動車業界全体が動いています。また、クラッチ締結や冷却、潤滑を電動オイルポンプで行おうという動きも出ています。ハイブリッドシステムの大型車への搭載が増えており、より大型の電動オイルポンプのニーズが高まるなど、燃費規制の強化は電動オイルポンプ市場を大きく拡大する追い風となっています。今後は、メカポンプ置換はもちろん、CVT向け・DCT向け・EVメインモータ冷却など、小型から大型まで電動オイルポンプのラインナップを拡充していく計画です。

日本電産グループのシナジーを活用することで、電動オイルポンプの全体システムを開発することが可能。

開発者からのコメント

2013年に量産を開始したハイブリッド車向け電動オイルポンプの成功の秘訣は、モータ・インバータ・ポンプのすべてにおいて高い性能を追求し、それが実現できたところにあると考えています。今後は、ますます厳しくなる燃費規制に対応するために、メカポンプに替わって電動オイルポンプの市場が大きく拡大し、競争が激化するとされています。日本電産トーソクはブラシレスDCモータ世界一の日本電産とその研究所、車載電子回路に大きな強みを持つ日本電産エレシス、メカポンプを得意とする日本電産GPM(独)、そして大学との共同研究・開発体制を活かし、電動オイルポンプ市場において大幅にシェア拡大をはかっていきたいと考えています。