持続可能な世界への貢献

3.高齢化社会を支える

パーソナルモビリティ、ドローン、パワーアシストスーツ、コミュニケーションロボットといった社会の新しいツールは、「運ぶ」「動かす」「助ける」「触れ合う」といった機能を通じて高齢化社会を支えます。
日本電産グループは、ブラシレスDCモータと関連製品を供給し、これらのツールがより優れた機能を発揮できるように支援しています。

高齢化する世界


出典 : 内閣府「平成29年版高齢社会白書」

世界の総人口に占める65歳以上の人の割合(高齢化率)は、1950年の5.1%から、2015年には8.3%に上昇しました。そして2060年には18.1%にまで上昇すると予想されています。これまで高齢化が進んできた先進地域はもとより、新興・開発途上地域においても、高齢化が急速に進行すると見込まれています。
SDGsの目標11(都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする)が指し示すように、このような過去に例を見ない変化に対応するためには、社会全体で連携しながら未来志向の取り組みを展開することが求められています。



移動の制約を取り除く

パーソナルモビリティと産業用ドローン(物流)

高齢化する社会では、さまざまな生活上の支障を抱える高齢者が増えていきます。例えば、日本で食品等の生活必需品を買いに行くのが困難な人口は2010年時点で700万人とも850万人とも言われ、その数は大幅に増加すると予測されています※。
高齢者の移動手段として大きな期待が寄せられているのが、パーソナルモビリティです。暮らしを楽しくする新しい“クルマ”として電動車いすを提案するWHILL社の新モデル「WHILL ModelC」には、日本電産が同社と共同開発したブラシレスDCモータが使われています。
また、自らが必要な場所に行くだけでなく、自宅に必要なものを届けてもらうことも有効な手段です。急速に用途が拡大するドローンは、物流のラストワンマイルを担う手段としても期待されています。 当社グループは、2017年に産業用ドローン向けモータの供給を開始しました。防水・防塵、放熱能力の向上による全天候対応や、本体・制御ユニット・プロペラの一体化も行い、ドローンの機能向上に貢献しています。

※総務省(2017)「買物弱者対策に関する実態調査」より

VOICE

WHILL社との協働を通じて、電動車いす利用者の豊かな暮らしをサポート

日本電産株式会社 精密小型モータ事業本部 第2営業統轄部 営業第2部
林 孝宣

当社はWHILL社の持つ「携帯電話は進化したのに、車椅子の基本的な形は進化してない」といった問題意識や、「心理面の障害があって外出をためらう人がいるので、WHILL社は新しい市場を開拓していきい」といったビジョンに共感し、共同開発を行うことを決断しました。Model Cを利用する方の生活の質にダイレクトに貢献する乗り物なので、会社の威信をかけて、しっかりやりたいと思いました。
モータの開発にあたっては、当社が電動アシスト自転車で培ったモータ技術を生かし、Model Cのモータをより性能の高いものにしてきました。
WHILL社との協働には、サプライヤーとバイヤーといった関係性にとらわれず、同じ目的を達成する仲間として、共に開発を進めていく面白さがありました。今後も人々の暮らしに役立つモータを社会に供給していきます。

人の作業負担を軽減する

パワーアシストスーツと産業用ドローン(農業)

高齢化の進行に伴い、少数の若者が多くの高齢者を支えることになります。そのため、介護、ものづくり、物流、農作業といった幅広い場面で、人手による作業負担の軽減が求められます。
身体に装着し、電動アクチュエータ(駆動装置)や人工筋肉などの動力を用いて人間の機能を拡張・補助する「パワーアシストスーツ」は、そのための有力なツールとして日本での普及が進みつつあります。当社グループは2017年より、偏平小型の減速機FLEXWAVEにモータを一体化した超偏平アクチュエータをパワーアシストスーツのメーカーに提供しています。薄く、軽く、コンパクトなドライブユニットとして特に関節部位に使用され、アシストスーツの装着性を大幅に改善しています。
また、産業用ドローンには、農薬散布や生育管理の効率化を進める手段としても、大きな期待が寄せられています。日本電産は、ヤマハ発動機株式会社が2018年に発売した産業用ドローン「ヤマハ産業用マルチローターYMR-08」のプロペラを回す小型・軽量・高出力のモータを、同社と共同開発しました。ドローンが持つ可能性を、さらに広げていきます。