モータが中心となる未来を見据えて モータが中心となる未来を見据えて

モータがIoTの主役となり、新しい付加価値が生まれる

─NECとの共同開発のように、今後すべてのインテリジェントモータが無線で外部につながるようになるのでしょうか?

現在はコストの問題からすべてが無線ではありませんが、将来的にはそうなります。無線アダプターが有線コードよりも安くなるのは時間の問題ですので、いずれは全てのモータが無線ネットワークでつながるでしょう。

─インテリジェントモータが無線ネットワークを介して、「あらゆるモノ、ヒト、サービス」=Thingsをつなぐようになると、
私たちの生活や社会はどう変化していくのでしょうか?

モータが情報収集機能を持つようになり、集めたビッグデータを解析することで、今までわからなかった特徴や傾向が見えるようになります。例えば、車のワイパーにあるモータの動きを収集し、解析することで、今どこでどのくらい雨が降っているかなど、正確な気象情報が得られるようになります。
また、車を動かしているモータからは、路面の情報などもわかるようになるでしょう。モータの回転数に対してタイヤが動いてなければスリップしているかもしれません。災害が発生した際に路面情報がわかれば、救援物資を送るルートの探索が容易になります。情報収集にはプライバシーの課題がありますが、社会に役立つ技術だとわかれば、実装が進んでいくと考えています。

日本電産にしか生み出せない価値を 日本電産にしか生み出せない価値を

未来志向のオープンイノベーションと
グループの総合力で、世界を変えるモータを世の中へ

─インテリジェントモータは、日本電産のどのような開発スタイルから生まれたのでしょうか?

「未来がこうなるだろう」という予測に基づいた未来志向が開発のベースにあります。必ずしも有望な市場やニーズに絞って開発テーマを決めているわけではありません。しかし、企業研究者である以上、ビジネスにしたいというマインドをなくすことなく、興味のあることに取り組んでもらうのが、当研究所の開発スタイルです。
研究所のある神奈川県川崎市は、電子産業・情報産業を中心に約350社もの研究開発拠点が集まっており、“日本のシリコンバレー”と言われています。NECや富士ソフトとの共同開発も、活発な企業間交流の中で生まれました。
これからは他の企業や研究機関、大学などとのオープンイノベーションで、様々な技術を持った人が強みを提供しあいながら、研究開発を進めるスタイルが不可欠です。当研究所が目指しているのは、まさにそうした「融合研究」。異なる分野の研究者も積極的に採用し、新しい発想を取り入れています。

─開発や製品リリースにおける強みは?

先ほども触れましたが、あらゆるサイズ・種類のモータを、年間30億個以上も生産していることが最大の強みです。それだけの量を提供するとなれば、当社規格がデファクトスタンダード(事実上の標準規格)となっていくのは必至です。分野が異なるモータ間で技術を転用することも可能なため、他社に比べて技術的にも優位です。
それから、グループの総合力ですね。センサ、ドライバなどモータ周りの製品だけでなく、モータが使われるコンプレッサーやプレス機といった製品を作っている会社をグループに多く持っているため、モータ単体だけでなく、モジュール化して製品リリースすることが可能です。私が当研究所に来てからの6年間だけでもM&Aによって60~70も拠点が増えています。このグローバルなグループ力が我々の強みです。
これら他にはない強みを生かして、暮らしや産業のあり方、延いては世界を変えるような革新的なモータを創出し続けていきます。

SFがSFではなく、リアルになる近未来

インテリジェントモータが高度化し、すべてのモータが無線でつながると、すべての機器の構成・制御がフリーになる世界が実現します。例えば、想像してみてください。今は当たり前にある電車の連結部もモータが無線になれば、不要になります。分離作業をしなくても、それぞれの車両がすぐに目的地へ出発するといったことも十分に可能です。
また、2050年には、すべての人類は高い知性を持つ人間型ロボット、すなわちヒューマノイドを3体持つと言われています。ひとつのヒューマノイドに500個以上のモータがつき、それがすべてネットにつながると…?近い将来、SFの世界が、インテリジェントモータによってリアルになる時代が到来しないとも限りません。

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