2021年度特集 - 統合報告書2021

環境

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脱炭素社会の実現

 日本電産は脱炭素社会の実現に寄与するべく、新中期戦略目標「Vision2025」およびマテリアリティ対策の大きな軸の一つとして「2040年度カーボンニュートラルの実現」を据えています。これは国際社会の脱炭素への動きが加速の一途を辿っていることを受け、2018年に設定した環境目標「SMART2030」の意志を引き継ぎつつも一層レベルを高めた新たな環境目標です。
 目標達成に向けた取り組みとして、自社事業のエネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの積極導入により、まずは現在当社が事業を通じて直接排出しているCO2(Scope 1)と事業活動で使用した熱・エネルギーの生産段階で排出しているCO2(Scope 2)の大幅な低減を図ります。再エネ主導のCO2排出抑制基盤を確かなものとした後、省エネ・低炭素燃料へのシフトやカーボンオフセット投資などの手段を用いることで、2040年度に当社事業活動のカーボンニュートラル化を達成する計画です。
 なお、サプライチェーンにおいて排出されるCO2(Scope 3)については2025年度までにその削減計画を決定する方針です。

再エネ電力導入に伴うCO2排出量の変化

製品を通じた脱炭素化への貢献

基本的な考え方

 気候変動問題の深刻化を背景として脱炭素化へ向けた世界的な潮流が加速する中、当社はグローバルに事業を展開する企業として脱炭素化に資する製品の開発・供給に注力していきます。具体的には、世界中で排出されるCO2量の10%以上を占めると言われる自動車に供給する製品に着目し、世界的な自動車電動化の潮流に連動する製品の販売台数をCO2排出削減量に換算、KPIとして設定することとしました。
 当社製品を通じた脱炭素化への貢献については投資家をはじめとしたステークホルダーから一定の評価をいただいているものの、それを裏付ける数値情報の不足が課題であると認識しています。2020年11月には電気自動車用駆動モータシステム「E-Axle」導入によるCO2排出削減量を開示していますが、今後は電動パワーステアリング用モータ導入によるCO2排出削減量についても把握するなど、より多くの製品で脱炭素化への貢献度を見える化することを目標として施策に取り組んでいきます。

マテリアリティ Phase1 KPI

具体的な製品例:高効率・省エネモータの提供

 自動車のCO2排出量削減の鍵は、エンジンの負荷を抑え、燃費を改善することにあります。世界の多くの自動車メーカーは、こうした視点からEPS(電動パワーステアリング)の採用を推進。油圧式のものと比較して約5%の燃費向上が見込める電動パワーステアリング用モータを当社グループは供給しています。
 また、アイドリングストップ機能を実現する電動オイルポンプ用モータなど、当社グループはCO2や大気汚染物質の排出低減につながる製品群を供給しています。

その他製品の取り組みは、以下をご覧ください。
製品による環境貢献

事業活動で排出するCO2の削減

基本的な考え方

 「製品を通じた脱炭素化への貢献」に加えて、事業活動時におけるCO2排出量削減にも注力していきます。当社グループは、今後もM&Aを含む生産規模の拡大によりエネルギー使用量は増え続けることが想定されるため、使用するエネルギーの総量が増加してもCO2排出量を削減する仕組みの構築が不可欠であると認識しています。こうした中、当社グループにおける総連結エネルギー使用量の80%以上を火力発電由来の電気が占めることから、再生可能エネルギーへの大幅なシフトを当面の目標としてKPIを設定しました。
 現在当社グループは「2040年度カーボンニュートラルの実現」に取り組んでいますが、自社事業のエネルギー効率向上のための設備や、再生可能エネルギー設備などの導入は、市場環境の激変等を理由にコスト上昇を伴わない範囲にとどまっています。そのため、当社グループ全体の再生可能エネルギー比率は現在10%未満であり、課題が多い状況となっています。今後も事業活動時におけるCO2排出量削減に一層注力していきます。

マテリアリティ Phase1 KPI

具体的な取り組み例:再生可能エネルギーの利用

 従来太陽光パネルを建物に設置することで数%の電力を賄う事業所が複数ありましたが、ここ数年で日本・アジア圏内の約2割の事業所が電力会社より直接100%再エネ由来電力を購入、もしくはグリーン電力証書購入により10~100%の再エネ由来電力を利用するようになりました。今後もあらゆる形で再エネ利用を拡大していきます。

その他、具体的な取り組みは、以下をご覧ください。
気候変動対策

廃棄物・有害廃棄物の管理

基本的な考え方

 近年、廃棄物増加が世界的な社会問題となる中、当社は原材料の有効な再利用を実現するための事業プロセスの構築に注力しています。製造工程において極力無駄を無くすことはもちろんのこと、容器や梱包材の使用を最小限にする取り組みも行っています。その他、廃棄物の分別徹底による資源化の推進にも継続的に取り組んでいます。
 また、当社グループは、各事業所において化学物質の使用・保管等を十分な注意をもって行い、漏出を防止するとともに、生産工程の改善・革新の一環として化学物質の使用・排出量をできるかぎり削減しています。また、製品に含有される有害化学物質に対する国際的な規制にも、情報システムや分析技術を活用して包括的に対応しています。
 今後も廃棄物・有害廃棄物の管理に取り組み、社会的要請の高まりに応えるとともに、取り組み遅延による企業価値毀損を防ぐ方針です。

具体的な取り組み

廃棄物管理

 2020年度の生産事業所における廃棄物最終処分量は、リサイクル率向上や紙の使用量削減により、2019年度比で約7%削減することができました。非生産事業所では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務の増加を主因に約40%の削減となりました。

化学物質の排出・移動量の把握と開示

 当社グループは、日本の法令に基づくPRTR制度のもと、同制度が指定する化学物質で当社グループ国内事業所において使用しているものの排出・移動量を把握し、情報開示しています。なお、同制度の対象外の化学物質についても、排出・移動量を自主的に把握しています。

※ Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出。

水リスクへの対応

基本的な考え方

 水は人々の生活や産業にとって欠くことのできない最も貴重な資源であり、海水や氷山・氷河を除くと地球上で実際に利用可能な水資源は全体の1%程度しかないと言われています。当社は、水資源の枯渇は工場の操業短縮や停止等事業継続への影響が大きいと認識しており、取水・使用・排水、各段階において、環境負荷を最小限に抑えるための取り組み(水資源の保全)を実施しています。また事業活動を継続していくための取水・排水リスクの把握や、取水・排水による周辺地域および水源地域への影響の把握といった水リスク管理に取り組んでいます。

具体的な取り組み

水の循環

 日本電産科宝(浙江)有限公司では、2020年度に水リユース・リサイクル率が総使用量の50%を超えるなど一部の事業所では積極的に水のリユースやリサイクルに取り組んでいますが、環境保全活動第六次中期計画対象事業所全体でみると2020年度の水リユース・リサイクル率は2.9%と低くなっています。リユース・リサイクルに積極的に取り組んでいる事業所の事例を活用し、まだ取り組みができていない事業所でも改善活動に努めます。
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う工場の稼働率低下を主因に、2020年度の生産事業所における排水総量は2019年度比で約11%の削減となりました。非生産事業所では、在宅勤務の増加により約5%の削減となりました。引き続き改善活動の徹底を推進します。

※ 「環境保全活動第六次中期計画」の詳細は、以下をご覧ください。
環境保全活動第六次中期計画概要

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