２章 HDD用スピンドルモータのトップメーカーへ（1978～1988） | NIDECグループ50年の歩み | Nidec 50周年サイト

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1978

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1989～2000

2001～2005

2006～2009

2010～2014

2015～2018

2019～2023

1978

9月

ベルト駆動式8インチFDD（フロッピーディスクドライブ）用ACモータの生産開始

11月

米国トリン社と日本電産トリン株式会社を設立、ファンブロワー分野へ進出

詳細

ファンの生産ライン峰山工場にて

1979

3月

（第6期）売上高10億円を達成

10月

8インチHDD用スピンドルモータの本生産を開始

1980

7月

イギリスのロンドン郊外に欧州日本電産を設立

1981

2月

軸流型ACファンの本格生産を開始

5月

ベルト駆動式8インチFDD用ブラシレスDCモータの生産開始

6月

名古屋出張所を開設（名古屋市千種区）

11月

5.25インチHDD用スピンドルモータ（ボトムロータ型）の本格生産開始

1982

2月

14インチHDD用スピンドルモータの本格生産開始

6月

峰山工場を新設、HDD用スピンドルモータ、ACモータ、ファンの生産開始

詳細

峰山工場ご家族見学会

10月

軸流型ブラシレスDCファンの本格的生産を開始「TA450DC」

1983

4月

スピンドル型8インチFDD用ブラシレスDCモータの本格生産開始

7月

創立10周年記念式典を京都ホテルで挙行

9月

第1回セールスマン大会を開催

8インチ光磁気ディスクドライブ用ブラシレスDCモータの生産開始

11月

本社事務所を京都市中京区烏丸御池、明治生命京都ビルに移転

東京営業所が東京支店に昇格し移転（杉並区　1989年7月には西新宿へ移転）

12月

米国にニデックトリンコーポレーションを設立

1984

2月

米国クリーブバック社の軸流ファン部門（旧トリン社）を買収、ファン市場に本格参入

3.5インチHDD用スピンドルモータ（ボトムロータ型）の本格生産開始

3月

5.25インチハーフハイトHDD用スピンドルモータの本格生産開始

7月

薄型軸流ファン「BETA SL」シリーズの生産開始

10月

滋賀工場（現・滋賀技術開発センター）を新設、ACモータの生産開始

詳細

滋賀技術開発センター全景

11月

シンガポール駐在員事務所を開設

1985

9月

ニデックトリンコーポレーションが米国日本電産㈱を吸収合併

5.25インチHDD用スピンドルモータ（インハブ型）の本格生産開始

1986

3月

（第13期）売上高100億円を達成

4月

ベルギーのブリュッセルに欧州日本電産を設立

6月

3Q6S運動を展開

詳細

3Q6S運動ポスター

7月

滋賀工場第2期棟が完成、峰山工場からファン、亀岡工場からブラシレスDCモータの開発・生産部門を移管

シロッコファン「GAMMAシリーズ」の生産開始

9月

3.5インチHDD用スピンドルモータ（インハブ型）の本格生産開始

駆動回路をICチップにした軸流ファン「Hシリーズ」の生産開始

10月

HDD用スピンドルモータの生産拠点として、㈱一宮電機との合併で鳥取電産㈱を設立（鳥取市）

1987

4月

3.5インチハーフハイトHDD用スピンドルモータの本格生産開始

5月

ソウル駐在員事務所を開設

センサレス方式のHDD用スピンドルモータの本格生産開始

1988

3月

滋賀工場第3期棟が完成、4月亀岡工場からHDD用スピンドルモータの開発・生産部門を移転

5月

低騒音設計の軸流ファン「Tシリーズ」の生産開始

6月

精密部品工場およびブラシレスDCモータの生産拠点として岡山日本電産㈱を設立（岡山県）

7月

2.5インチHDD用スピンドルモータの本格生産開始

11月

大阪証券取引所市場第2部、京都証券取引所に上場

詳細

大阪証券取引所市場第二部上場認証式

３章（1989-2000）へ進む

米国トリン社と日本電産トリン株式会社を設立、ファンブロワー分野へ進出

OA機器の急速な普及にともない、顧客から「ファンを扱ってないのか？」との問い合わせをたびたび受けるようになった。これをきっかけに、当社はOA機器用小型ファンの自社開発に着手。当初は、アメリカの名門企業である機械系総合メーカー・トリン社から部品を取り寄せ、同社設計図に基づいてファンを製造していたが、1978年（昭和53）11月、永守の3年間にわたる粘り強い交渉の末、同社との対当出資により合弁会社・日本電産トリン株式会社の設立に漕ぎつけた。
同社は、トリン社からの輸入販売を行うとともに、当社のモータ技術とトリン社のファン技術を融合させて、コンピュータや電子機器、事務機器の内部換気冷却や熱源冷却に使われる小型軸流ファンの開発に成功。国内で販売を開始し、ファン市場への参入を果たした。

峰山工場を新設、HDD用スピンドルモータ、ACモータ、ファンの生産開始

当社が世界に先がけて8インチHDD用スピンドルモータの開発に成功したのは、1980年（昭和55）のことだった。スピンドルモータは従来のブラシレスDCモータに対して、より高い精度を実現することができる。そのためHDD用の主流となり、やがて当社を牽引する事業となる。その業績拡大を支えた工場の一つが、HDD用スピンドルモータの完全自動生産ラインをもつ峰山工場だった。
多くの候補地のなかから、古くは丹後ちりめんの産地であった京都府峰山町（現・京丹後市）が選ばれたのは、過疎化が進んでいる同地の方々に接し、「意欲ある人たちが大勢、私たちの工場進出を求めている」ことを永守が肌身で感じたことにある。また「日本の精密工場の中心地が（中略）糸ヘンの産地から発展してきている」という不思議な共通性を見出したからであった。峰山工場は以降も第4期まで建設が続き、最終的には600人余りが働く大工場となっていく。

滋賀工場（現・滋賀技術開発センター）を新設、ACモータの生産開始

ACモータ、ファンの量産を担う工場として建設されたのが、亀山、峰山に次ぐ当社第3の生産拠点・滋賀工場であった。1984年（昭和59）5月、滋賀県愛知郡愛知川町の約6万㎡の用地で着工し、1984年10月に第1期工事が完了。1986年7月に第2期工事、1988年3月には第3期工事が完了した。第1期棟には、亀岡工場からACモータの開発部門、峰山工場から生産ラインを移管。第2期棟には亀岡工場の汎用ブラシレスDCモータの生産部門、峰山工場からファンの技術開発部門および生産部門を移管した。第3期棟は、HDD用スピンドルモータ専用工場となった。
1994年（平成6）には「滋賀技術開発センター」に改称され、HDD用スピンドルモータおよび一般ブラシレスDCモータの技術開発拠点となった。

3Q6S運動を展開

1976年（昭和51）4月、当社はミネソタ州セントポール市に現地法人・米国日本電産株式会社（NIDEC AMERICA CORPORATION）を設立した。当時、新たに開発し上場に向けて社内体制を整えていた1986年（昭和61）6月、社員一人ひとりが職場のなかで守るべきルールやマナーをわきまえ、これを行動に移せるようにすることを狙いとした「3Q6S運動」を展開した。
3Q6Sとは、永守が創立当初から社員に対してその重要性を訴え続けてきた経営の基本である。Quality Worker（良い社員）、Quality Company（良い会社）、Quality Products（良い製品）の3つのQと、SEIRI（整理）、SEITON（整頓）、SEIKETSU（清潔）、SEISOU（清掃）、SAHO（作法）、SHITSUKE（躾）の6つのSから取ったもの。企業規模が大きくなったこともあり、改めて徹底する意図もあった。
実施にあたっては、工場をはじめ各事業所に3Q6S推進委員会および事務局を設置し、ポスターなどを掲示して全社に徹底した。3Q6Sは、当社社員に深く浸透しており、現在もその基本は変わっていない。

大阪証券取引所市場第2部、京都証券取引所に上場

1988年（昭和63）11月、当社は大阪証券取引所市場第2部および京都証券取引所への上場を果たした。上場を機に236万株の新株式を発行、資本金76億4,823万円に増資した。
上場に向けては1987年1月頃から準備作業に入り、同年4月には社内に上場推進のための組織「Xプロジェクト」を結成し、関係会社の整理統廃、社内の機構改革などを進めた。
創業から15年での上場は、製造業としては異例の早さで各方面から注目を集めた。しかし永守は社員に向け「真のスタートはこれから」と語り、「“パブリックカンパニー”としての重大責任が多く付加されてまいります。社員の皆さんにはこのことを十分に理解いただきたいと思います」と気持ちを引き締め、東京証券取引所上場、大阪証券取引所市場第1部昇格など、次なる目標に向けて歩み出した。