永守財団について理事長のごあいさつ

永守重信

私は1973年に日本電産株式会社を設立した当初より、モータが「産業の米」になると考えております。実際に、モータは19世紀初めに誕生して以来、私たちの身の回りのあらゆる電気製品に使われ、私たちの生活になくてはならない存在となってきています。そして、今や、モータが世界で発電される電力量の約55%を消費しているといわれるほど、電動化・自動化が進展し、モータの果たす役割が飛躍的に増大しています。

しかしながら、現状、日本のみならず世界的にもモータ研究者の育成が進んでいない、いや、むしろ衰えているのではないかと、大変な危機感を持ち、モータの道で世界の発展に貢献しよう、もっとモータやモータ周辺分野の研究に力を入れてみようという気概のある研究者が出てきてほしいという思いで、2014年に「永守賞」を創設、永守財団を設立いたしました。

永守財団は、科学技術分野において、国内外の研究開発活動に対する顕彰を通じて研究者・開発者を支援し、もって国内外の科学・産業の発展に寄与するとともに、豊かな生活及び地球環境の保全に貢献することを目的としております。事業として、表彰制度の「永守賞」、加えて若手研究者を対象とした「研究助成」を展開しており、今後も更なる拡大を考えてまいります。

私は、当財団の事業を通じてモータ及びモータ周辺分野の技術が更に発展し、技術革新が創出され、人類の繁栄のために新たな世界が拓かれていくことを期待しております。

理事長 永守重信