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2017年度は売上、利益の全項目で過去最高を更新
中期戦略目標の達成に向けて、成長スピードはどんどん加速する

2017年度の売上高は前年度比24%増収の1兆 4,881円、営業利益は同20%増益の1,668億円 となり、それぞれ過去最高となりました。また、税引前利益は前年度比16%増益、当期利益は同18%増益となり、それぞれ過去最高を更新しています。2018年度の業績は売上高を1兆6,000億円、営業利益を1,950億円と見込んでいます。

2016年度 2017年度 増減率 2018年度
通期見込
売上高 1兆1,993億円 1兆4,881億円 +24% 1兆6,000億円
営業利益 1,394億円 1,668億円 +20% 1,950億円
営業利益率 11.6% 11.2% - 12.2%
税引前利益 1,413億円 1,637億円 +16% 1,875億円
当期利益 1,110億円 1,308億円 +18% 1,470億円
1株当たり当期利益 374円 442円 +18% 499円
配当金 85円 95円 - 105円


中期戦略目標 「Vision 2020」の達成確度は益々高まる

2015年4月に発表した中期戦略目標「Vision 2020」は2020年度に売上高2兆円、営業利益率15%以上、株主資本利益率(ROE)18%以上を目指すものです。売上高2兆円達成については、重点2事業である車載事業、並びに家電・商業・産業用事業の成長が全体の売上成長を牽引し、より確実なものとなりつつあります。営業利益3,000億円達成については取り組みを加速させるために3つのアクションをとっています。1つ目はマネジメント体制の強化です。吉本新社長が海外事業をグリップする新たな経営体制へとシフトさせます。2つ目はビジネスポートフォリオ転換のための構造改革を断行することです。生産事業所を再配置し、成長製品の生産事業所へと転用する等を行っています。3つ目は3年間で5千億円という成長分野への積極投資を実行することです。具体的にはEV・PHEV向け駆動用モータの量産工場立ち上げや小型ロボット用減速機の生産能力拡大を中心に投資します。 


 

4つの大波到来で、成長は更に拡大!

過去、世界的なパソコン普及による精密小型モータの需要拡大によって、当社の業績は飛躍的拡大を遂げました。これが過去最大の大波だったとすれば、現在はそれを上回る大きな波が4つも来ています。

1つ目はクルマの電動化です。従来の油圧機構を電動に置き換える部分の普及に加えて、内燃機関そのものがモータに置き変わる動きがここに来て一気に加速しています。まさに当社モータの出番です。2つ目はロボット活用の拡がりです。世界各国の人件費上昇に伴って、工場の自動化が急激に進んでいます。そこで使用される6軸ロボットの重要部品である減速機の引き合いが殺到しており、生産キャパを増強しています。3つ目は家電製品のブラシレスDC化です。家電製品のコードレス化や高機能化に伴って、従来のACモータから高効率なブラシレスDCモータへの置き換えが進んでいます。当社は世界最大規模のブラシレスDCモータメーカーであり、世界の主要顧客から注文を頂いています。4つ目は農業・物流の省人化です。例えば昨今、水田や畑での農薬散布をドローンが行っていますが、重くて電気効率の悪いモータだと長時間飛び続けることができません。そこで軽量かつ高効率な当社モータが活躍します。また配達や引越し作業での人手不足の解消に、今後はドローンが活用されると言われています。 これら非常に有望な成長分野に経営資源を集中投下し、4つの大波にきちんと乗って行けるよう引き続きしっかりと舵取りを行ないます。  

2030年度10兆円体制への序章


2018年6月20日、株主総会及びその後の取締役会に決議を経て代表取締役社長兼COOに吉本浩之が就任しました。創業以来初の社長交代に至った今回の経緯と今後の方針についてお伝えします。

約3年前から候補者の選定を開始し、結果的に最終候補者5名の中から選出しました。吉本新社長に交代を打診したのは昨年12月です。選定基準は、「業績を上げられる人」、「会社に良い変化をもたらす人」の2点でした。これを見極める最良の方法は、収益性の低い事業の再建を実際に任せてみることです。彼は入社してすぐに任された当社グループ会社である日本電産トーソクの業績をわずか1年で回復させました。この再建を通じて分かったことは、彼の経営に対する考え方が私自身の3大経営姿勢である「マイクロマネジメント」・「ハンズオン」・「任せて任せず」と極めて似ていたことです。業績結果が悪く低迷した組織を彼は現場レベルから「細かく、しつこく、徹底して」改善しきる力があります。そして少しでも結果が出てくると、社員の士気を更に鼓舞する人間力も備えています。また彼は、私が現在の彼と同じ50歳の時よりも大規模な組織でオペレーションを経験し、実際に成果を収めています。

当面は二人三脚による経営を行い、時間をかけて集団指導体制へと移行させていきます。私は日本電産グループの経営、特に中長期成長戦略や企業買収などの大きな経営判断を引き続き行います。そして私がこれまで行ってきた国内外グループ会社の経営や企業買収後の再建を吉本新社長に主導してもらいます。 今回の社長交代は2030年度に売上高10兆円を達成する為の言わば序章です。この大きな目標を達成するまでは引き続き私が会長兼CEOとしてきちんと経営の舵取りを行いながら、創業経営者として彼を育て上げます。将来的には吉本新社長へのCEOの引き継ぎを見据え、彼を真の経営者に育てることが最大の責務であると考えています。  

 


2030年度10兆円の目標達成にむけて、「基礎研究開発力・生産技術力・グローバル人材」をキーワードに体制作りの強化にも取り組んできました。2012年6月には川崎に中央モータ基礎技術研究所、2017年3月には新しい研修センターが完成しました。そして2018年2月、けいはんな学研都市に生産技術研究所の一期棟が竣工しました。2015年の発足以来、同研究所ではものづくりの基盤強化や、大学並びに研究機関、他企業との共同研究を通して世界に貢献する技術の創造に従事してきました。具体的にはロボットやその要素技術(制御やセンサー等)、新材料・新工法・新プロセス、IoT※1やAI※2といった分野の研究に力を入れています。また、世界に通用する高いレベルの技術者の養成にも尽力しています。350人の体制でスタートしていますが、二期棟の竣工を視野に最終的には1,000人規模まで拡充する計画です。

※1 IoT・・・Internet of Things、ありとあらゆるモノがインターネットを通じて繋がること

※2 AI・・・Artificial Intelligence、人工知能


配当額の向上に引き続き取り組む

当社は「会社は株主のもの」との視点から、株主の負託に応えるべく高成長、高収益、高株価の長期的な維持と向上に努めています。それは成長への飽くなき挑戦を続ける当社の基本姿勢です。株主への配当については、配当性向30%を見据え、安定配当を維持しながら当期利益額の状況に応じて配当額の向上に努めています。2017年度の配当額は前年度比10円増額の95円でした。2018年度の配当予想は105円と前年度比10円増配を予定しており、増配基調を継続しています。 今後も当社株価の推移や個人株主の動向を勘案しつつ、 適宜株主還元施策に取り組んでいきます。

  今後も慢心することなく、気概と執念を持って10兆円企業に向けた新たな挑戦への道を歩んでいきたいと思います。株主・投資家の皆様には今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

以上

2018年11月

代表取締役会長(最高経営責任者) 永守重信