中長期戦略目標

中期戦略目標 「Vision 2025」

2021年7月に発表した中期戦略目標では、2022年度に売上高2兆円、投下資本利益率(ROIC)10%以上の達成を目指し、2025年度には売上高4兆円、ROIC 15%以上の実現を目標としています。また、ESGで評価される企業になるため、世界初、世界No.1技術の積み上げによる社会ニーズの解決、ESG銘柄としての認知度向上、One Nidecとしての組織、ガバナンス強化を行っていきます。

2025年度に売上高4兆円達成を目指して、新規M&Aを含めて精密小型モータ事業では8,000億円、車載事業では13,000億円、家電・商業・産業用事業では13,000億円、その他の製品グループでは6,000億円の売上高を目指します。

精密小型モータ

技術優位性を生かした新たな需要の創造と、競争優位を生かした収益性改善に注力し、2025年度に売上高8千億円を目指します。

精密小型モータ事業にはHDD用モータ事業とその他小型モータ事業があります。HDDは主にPCやサーバを始めたとした多くの情報機器に用いられていますが、その心臓部を担うのがHDD用モータです。HDD用モータに関しては収益性の向上に努めます。タブレットやスマートフォンなどの新しいIT端末の普及に よりPC用途のHDDは今後大きな市場拡大を望めませんが、一方で5G通信の拡がりにより画像や動画などの高画質・高容量化、ソーシャルメディアやゲームの普及といったビッグデータ時代は益々加速すると考えられます。それに伴うスト レージ需要の拡大により、今後もサーバ用途等ではHDD用モータ需要は安定して継続すると見込まれます。

その他小型モータに関しては「5G通信に起因する次世代技術」や「家電製品のブラシレスDC化」、「小型モビリティ」といった分野で今後の伸びしろに期待できます。5G通信が主流になると通信速度は従来の100倍、通信容量は1,000倍になると言われています。しかし膨大なデータを高速で処理するがゆえにCPU(中央演算処理装置)や電子回路に高熱が生じてしまいます。そこで放熱・冷却といったサーマ ルマネジメントに対する需要が益々高まることが予想されます。この需要に対応するため、当社ではヒートシンクや ヒートパイプ、ベイパーチャンバー等を組み合わせたサーマルモジュール製品を市場に提供しています。また、家電が省電力化、コードレス化するに従い省エネ・ 長寿命・低騒音という特徴を持つ当社ブラシレスDCモータの需要が益々増えてきます。さらに電動自転車、電動バイク、電動スクーターやミニEVといった電動化が進んでいる小型モビリティ分野も当社の成長を中長期で牽引してくと考えられます。その他のAV・IT・OA・ 通信機器や家電・産業機器など多岐にわたる分野においても新たな活用の場を開拓し、持続的な成長につなげていき ます。

小型ブラシレスDCモータ



ベイパーチャンバー・モジュール

車載

高付加価値なモジュール製品開発を進め、2025年度に売上高1.3兆円を目指します。

車載事業では、気候変動による影響が深刻さを増すなか、自動車業界は脱炭素化へ向けた取り組みを加速させています。乗用車、トラック等が世界のCO2排出量に占める割合は約1/5にのぼることから、主要各国は相次いでガソリ ン車・ディーゼル車の販売禁止を発表し、自動車の電動化と電気自動車へのシフトを後押ししています。当社は 「クルマの電動化」や「グリーントランスフォーメーション」を中長期的成長機会と捉え、世界No.1シェアを誇る電動パワステ用モータやブレーキ用モータを始めとした車載用モータに加え、電動オイルポンプや電動ウォーターポンプ等の車載製品を提供しています。さらに、ガソリン車に例えればエンジン部位に相当する駆動用モータ システム(トラクションモータ)をEV用に開発・供給することにより、走行中の自動車が排出するCO2を実質的にゼロ にする業界の取り組みに積極的に関与していきます。これらにECU(電子制御ユニット)を組み合わせることで各部品 がシステム化され、高付加価値のモジュール製品を提供することができます。 また、モータやECU、センサー等を統合して車のさまざまな機能を電子制御することにより、安全走行や衝突回避、 被害低減、自動走行が可能となり、クルマの安全性が高まります。他にも、燃費改善によるCO2の排出量低減効果も 期待できます。今後は自動車の電装メーカーを目指し、これまで培ったモータ技術にECUやセンサーの先進技術を統合 したシステム・モジュール製品を自動車業界に提供することで、より安全で環境に優しく快適なクルマ作りに貢献し ていきます。

一体型トラクションモータシステム(E-Axle)

家電・商業・産業用

重点成長事業として、売上・コスト両面でのシナジー効果の追求と、収益性の改善を図り、2025年度に売上高 1.3兆円 を目指します。

現在、世界の電力需要の約半分をモータが占めていると言われており、特に産業用モー タによる消費量が大きいことから、より高効率なモータへの置き換えが急務となっております。家電部門では洗濯機、乾燥機、食洗機用モータや冷蔵庫用のコンプレッサー及びコンプレッサー用のモータ等を手掛けています。「家電製品のブラシレスDC化」の波に乗り、冷蔵庫を中心とした家電の省電力化に貢献します。商業部門ではエアコン用モ ータを手掛けており、産業部門では農業、ガス、鉱業、上下水道、海洋といったマーケットを中心に事業を展開して おります。世界的な省エネ・省電力化の流れが進んでいますが、当社はこの流れを追い風に、家電・商業・産業用事業のさらなる発展を目指します。

家電・商業・産業用モータ製品群

その他

小型ロボット用減速機の生産能力を増強し、2025年度に売上高6,000億円を目指します。

世界的な課題となっている労働人口不足の解決を目指して、中国を中心にFA(ファクトリーオートメーション)需要が高まっています。「ロボット活用の広がり」を背景に拡大傾向にある小型ロボット基幹部品(減速機)の需要を 取り込むことを通じて、事業拡大を推進しています。増大した受注を確実に獲得するために小型ロボット用減速機 向けの新工場の稼動を開始し、生産能力を大幅に増強しています。

フレックスウェーブ減速機(左)、コロネックス減速機(右)

M&A

日本電産はM&Aを成長の為の重要戦略として位置付けています。

特に当社が重要2事業として位置付けている車載、家電・産業・商業の市場に進出するには従来持っていなかった技術、製品、商流を獲得することが必須であり、あらゆるモータにおいてグローバルなネットワークを形成することが不可欠と考えているため、 M&Aを重要戦略と位置付けています。

M&Aによる売上への寄与

長期目標 「2030年度売上高10兆円」

日本電産は、1973年創業から40年余りで、売上高1兆円を超える企業へと成長しました。なかでも、1990年代後半から訪れた「パーソナルコンピュータの普及」という大きな波を捉え、飛躍的な発展を遂げました。

そして現在、「地球温暖化」、「労働人口の減少」という社会課題を背景に、5つの大波が到来しています。 日本電産はこの大波で生じる事業機会を捉え、2030年度売上高10兆円を目指します。

Nidec Group Search