中期経営計画

中期経営計画 「Conversion 2027」

中期経営計画「Conversion2027」では、収益構造の抜本的転換を図り利益率の改善を実現するために3つの観点で「転換」を実行していきます。2027年度の数値目標は、連結売上高:2.9兆円、営業利益:3,500億円(営業利益率:12%)、ROIC:12%です。

①高収益構造への転換

ROIC経営による事業ポートフォリオマネジメント

2027年度の数値目標を達成するため、不採算事業やノンコア事業の特定を進めています。その基盤となるのが「NIDEC式ROIC経営」であり、ROICを基準に事業をカテゴリー分けすることで事業ポートフォリオの現状を可視化しています。将来的な成長が期待できる事業、技術的に他事業へ貢献できる事業、逆に市場縮小が見込まれる事業などを見極めており、こうした取り組みによるグループ全体での事業最適化を図ることで、高収益事業の比率を高めて収益構造を転換していきます。

拠点の統廃合・最適化

 Nidecグループには約250の生産事業所がありますが、その約3割を従業員100名以下の小規模拠点が占めています。これらを半減させる目標で統廃合を進めていき、製造間接部門を中心に人員削減を図ります。さらには、大規模拠点であっても生産性が低い場合には効率化の対象とします。

 このように全体最適によるマネジメントへと転換することで、変動費1,000億円、固定費500億円規模の改革を実行する計画です。

高付加価値事業領域の拡大

 世界No.1の総合モータメーカーとして、高品質なモータを供給する使命は今後も変わりません。しかし今後より多くの事業機会を捉えるためには、モータそのものの提供にとどまらずバリューチェーン全体で付加価値を高めることが重要です。例えばバリューチェーン上流ではモノづくりの基盤となる工作機械やソフトウェア事業を強化し、下流では大型モータ事業を中心にリカーリングビジネスやメンテナンスを含むアフターサービスを拡充します。こうした取り組みにより「付加価値のスマイルカーブ」の両端を引き上げ、従来のモータそのものを主軸としたビジネスからは一線を画す新たな事業機会を創出していきます。

②成長を支える「事業5本柱」への転換

①AI社会を支える、②サステナブル・インフラとエネルギーの追求、③産業の生産効率化、④より良い生活の追求(Better Life)、⑤モビリティイノベーションを今後の注力事業領域である「事業5本柱」として明示しました。今後はこれらの柱に基づいた技術・製品開発を行っていきます。

また、これら「事業5本柱」各領域における機会と課題を俯瞰し有効な戦略を推進するため、領域ごとに責任者を任命しました。それぞれの重点地域や顧客へ提供できる価値、テーマも同時に取り決めており、事業の成長と企業価値の向上に対する責任をより明確にする体制を整えています。

③真のグローバル体制への転換

コーポレート機能強化のため、2025年4月より新たな体制へと再編しました。執行役員のスリム化を図りつつ、新たにチーフ・デジタル・オフィサー(CDO)、チーフ・ヒューマンリソース・オフィサー(CHRO)並びにチーフ・リーガル・オフィサー(CLO)が就任し、チーフオフィサー制(CxO)の強化を推進しております。また、技術と品質の更なる向上に向けて、高度な技術・技能・知識を有する「フェロー」と次世代の役員候補者である「理事」を新設しました。こうした組織体制を通じて真のグルーバル体制への転換を実現していきます。