ニデック、データセンター向け大規模液冷装置を千葉県印西市のデータセンターで試験運用開始

ニデック株式会社（以下、「当社」）は、データセンターに最適なソリューションとして開発を行ってきた大規模液冷装置（In-Row 型 CDU_{（注 1）}）のデータセンターへの本格導入に向け、試験運用を本年 8 月より MC デジタル・リアルティ株式会社の NRT12 データセンター（千葉県印西市）にて開始します。

AI 市場の急成長の中、その需要を満たすためデータセンターの建設数が世界的に急増しており、日本国内においても今後各地にデータセンターの建設が計画されています。AI アプリケーションの普及に伴い、データセンターにおいて高性能の GPU を搭載した多数の AI サーバーの設置が必要となりますが、一方でその活用に伴う消費電力と発熱の課題が効率の高い運用に向けた障壁となっています。これらの課題を解決するため、サーバーの冷却技術において、従来の空冷方式に替わってより高効率な液冷方式が新たな標準となりつつあります。液冷方式はデータセンターのエネルギー効率を改善し、環境負荷を低減するソリューションとして期待されていますが、現状ではラック単位の装置（In-Rack 型 CDU）が主流であり、より大規模な AI モデル開発に対応可能なデータホール単位の装置（In-Row 型 CDU）の設置は限られています。

こうしたデータセンターの大規模な液冷装置のニーズに応えるべく、ニデックは In-Rack 型 CDU 世界シェア No.1 を誇る最先端のサーマルソリューション技術を最大限活用し、データホール単位での大規模な液冷による高効率な IT インフラの構築を実現します。

さらに今回の試験運用では、In-Row 型 CDU を使用した液冷装置が、従来の空冷装置と比較して、サーバールーム内の電力効率 30％向上を実現することを検証していきます。

ニデックは、今回の試験運用を通じ、データセンター全体の冷却と、消費電力の効率化の課題に真摯に取り組み、お客様の AI 技術を活用したイノベーション創出と地球環境の保全に貢献してまいります。

注1. CDU：Coolant Distribution Unit

「今回、MC デジタル・リアルティ様とご一緒できるチャンスをいただき、また、一緒に導入検証を進められることに大変感謝しております。今後の AI 技術を支えるサーマルソリューションベンダーとして、お客様の液冷装置への冷却ニーズにしっかり応え、お客様の創造するデータセンターにより一層近づけていくご支援をしてまいります。」

「日本の製造業をリードするニデック様の大規模液冷装置試験運用にご協力できますことを大変嬉しく存じます。MC デジタル・リアルティは今後も、最先端の液冷ソリューションをお客様にご提供し、お客様のビジネス拡大に貢献するとともに、消費電力と CO2 排出量の削減による持続可能性目標の達成に貢献してまいります。」

ニデックについて

ニデックはモータ事業を中心に「回るもの、動くもの」に特化したソリューションを手掛ける「世界 No.1 の総合モーターメーカー」です。世界 46 カ国、約 340 社のグループ会社が持つそれぞれの技術力を活かした精密小型から超大型までの幅広いラインナップの製品は、IT 機器や自動車、二輪車、商業、産業をはじめとする様々な分野に採用されています。当社は中期事業計画において、「AI 社会を支える」を 5 本柱の１つとし、液冷を中心としたサーマルソリューション技術にも力を入れています。今後も当社はグループを挙げて軽薄短小、効率化技術で世の中に無くてはならない製品・ソリューションを圧倒的スピードで提供し社会の発展に貢献します。 当社 Web サイト： https://www.nidec.com/jp/

MC デジタル・リアルティについて

MC デジタル・リアルティ株式会社は、三菱商事と米国 Digital Realty による対等出資の合弁会社として 2017 年 9 月に設立されました。日本にてコロケーションサービス、相互接続ソリューションを含めたデータセンターサービスを幅広く展開します。
三菱商事の不動産・インフラ投資の知見、顧客網と、業界大手 Digital Realty のデータセンタープラットフォーム「PlatformDIGITAL®」、世界 6 大陸にまたがる 300 以上のデータセンターコミュニティを活かした高品質な IT インフラの提供を通じ、お客様のビジネス拡大、イノベーション創出と社会の発展に貢献します。
MC デジタル・リアルティの詳細は https://www.mc-digitalrealty.com/をご覧いただくか、当社 LinkedIn をフォローしてください。