S/社会

労働安全衛生・健康経営

基本的な考え方

労働人口の縮小は世界的な社会課題であり、個人の健康管理を企業がサポートすることで限られた労働資源を大切に扱い「人材価値」を最大化する取り組みが重要となります。そのため、社員のモチベーション・生産性が向上する職場環境づくりが不可欠です。
NIDECグループは会社と社員の協力の下、社員がその能力を十分に発揮できる安全快適な職場環境の整備と、社員の安全と健康の増進をテーマに健康経営に取り組んでいます。社内組織を横断する形で構成された健康推進委員会が中心となって健康管理・増進の仕組みを強化している他、産業医による健康セミナー、全社員を対象とした健康意識調査を実施し、健康リテラシーの向上に努めています。さらに国内事業所の敷地内完全禁煙を達成するなど、健康経営を推進しています。

目標

マテリアリティ

安全

基本的な考え方

新設の事業所やM&Aにより加わった拠点を含むNIDECグループ全拠点で、社員の安全確保を最優先の課題と位置づけ、重大災害ゼロを目標とし、安全な職場環境を維持するための活動を行っています。

体制・取り組み

国内事業所では全事業所の安全確保に向けた施策を審議する安全衛生委員会を組織しています。海外事業所では、EHS(Environment, Health & Safety;環境・健康・安全)機能を軸に、手順の整備、教育・訓練の実施などを推進する仕組みを整えています。ニデックの企業文化である3Q6S活動※とも連携し、事業所長が定期的に現場を点検しその場で改善を指示するなど、「安全は全てに優先する」というメッセージを浸透させるべく日々活動を行っています。

※ニデック社員の行動規範として、グループ全社で推進している活動。3Qとは、良い社員(Quality Worker)、良い会社(Quality Company)、良い製品(Quality Products)を表し、6Sは一般的な5Sに”作法”をプラスした”整理、整頓、清掃、清潔、作法、躾”を表します。

第三者監査について

当社従業員の70%以上が集中し、ITUC(国際労働組合総連合)のGlobal Rights Indexでもリスクが高いとみなされているアジア地域の主要な生産工場を対象に、RBA行動規範※を参照した自社基準に基づく監査を第三者認証機関との提携によって定期的に実施しています。「緊急時への備え」「労働災害および疾病」「機械の安全対策」など、合計8つの監査項目を審査し、2018年度の監査結果より、優先的に取り組むべき分野を以下のように特定し改善活動を実施しました。

  • ・労働災害および疾病に備えた応急処置キットの定期検査の実施
  • ・妊娠中の女性・育児中の母親への労働安全衛生上のリスク軽減措置の実施

※RBA(Responsible Business Alliance)とは
RBA(2017年10月にEICCより改名)は、サプライチェーンにおける社会・環境・倫理的課題の解決を目的として設立された団体です。同団体の行動規範は、国際的に認められた主要な基準に基づき、人権の尊重、労働環境の整備、安全衛生の確保、環境保全、企業倫理の徹底、管理体制の充実に主眼を置いて策定されました。

ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格)の取得状況はこちら

監査結果はこちら

労働災害撲滅プロジェクト

ニデックグループ内では、労働災害を撲滅するべく発生事案の要因を追求し、その内容をグループ全体に展開して同種の対策を実行してもらう活動を行っています。2023年度からは「労働災害撲滅プロジェクト」として活動を強化し、共通する課題に対し全事業所の総点検を行い、同種の労働災害の未然防止を図っています。2024年度の総点検の結果は以下の通りです。

総点検項目 改善件数
内部設備(安全機構) 848件
フォークリフト(安全対策) 2,703件(傷・へこみの修理:1,102件、運用ルールの整備:1,601件)

労働安全教育の推進

ニデックの事業所では、各事業所の特性に合わせた安全教育を実施しています。家電・車載事業統括本部では、2024年度、延べ86,000人以上が安全教育を受講しました。同事業統括本部の中国事業所では、配属時の研修に加え、労働災害が起きやすい長期休暇(春節)後にも安全行動の基本を改めて周知徹底しています。

機械事業本部では、同本部を構成するニデックマシンツール株式会社において、重大災害につながりかねない事象を「ヒヤリ事故」と位置づけ、発生後速やかに全従業員へ周知する体制を構築しています。
2024年度は、ニデックオーケーケー株式会社を含む延べ7,200人に対してヒヤリ事故の発生状況と、その原因および応急対策を共有しました。これにより、各従業員が自らの職場に潜む同様のリスクを認識し、対策を講じることを促し、事業部全体の危険リスク低減に努めています。2025年度からは、ニデックドライブテクノロジー株式会社との一体運営を開始し、安全活動の更なる強化を図ります。具体的には、安全基本ルールである「安全5原則」を基盤とし、本質安全の取り組みを推進することで、従業員一人ひとりの安全意識の向上を目指していきます。

実績

2024年度にニデックグループでは90件(前年度比32件減少)の休業災害が発生しましたが、死亡事故はありませんでした。労働災害の撲滅に向け全社一丸となり、継続的に労働環境の改善に取り組んでいきます。

項目 2022年度 2023年度 2024年度
年度目標 実績 年度目標 実績 年度目標 実績
休業災害度数率(連結) 0.30 0.87 0.20 0.49 0.20 0.36
死亡事故発生件数(連結) 0 0 0 0 0 0

労働災害度数率

健康

基本的な考え方

社員の心身の健康推進、および当社で最大限活躍できる職場環境づくりを目指し、健康推進委員会を組織しています。各職場に応じた取り組みができるよう、各事業所に健康推進の担当者を置くとともに、健康のエキスパートである産業医や健康保険組合とも連携し、会社一体となって健康経営を推進しています。さらに健康保険組合については、柔軟な健康推進体制を整えるため、NIDECグループでの自社健康保険組合の設立準備を進め、2024年4月に正式に設立に至っています。

<NIDEC健康宣言>

NIDECグループは、社員の健康と働きがいを経営の重要な源泉と位置づけ、「健康経営」の実現に向けた取り組みを推進します。 社員の健康は、本人や家族にとってかけがえのないものです。 また、社員がいきいきと挑戦し、活躍し続けることが、当社が目指す「100年後も持続成長する企業」の実現に繋がると考えます。 社員とその家族とともに次代の社会を支える基盤づくりとして「健康経営」を掲げ、社員一人ひとりが情熱と熱意をもって最高のパフォーマンスを発揮し続ける企業を目指します。

代表取締役社長執行役員
最高経営責任者
岸田 光哉

体制・取り組み

健康経営体制


2025年3月には、社員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人として、「健康経営優良法人2025(大規模法人)」に2021年から5年連続で認定されました。

健康経営優良法人2025(大規模法人)
健康経営優良法人2025(大規模法人)

戦略マップ

戦略マップとは、健康経営で解決したい経営課題とそれを解決するための手段を示した計画書です。当社は戦略マップにそって健康経営を推進していきます。

戦略マップ

健康経営全体の課題と具体的な数値目標

課題:社員の“働きやすさ”の向上や、メンタルヘルス対策、高リスク者への対応強化

目標・進捗:

項目 2025年度目標 2024年度進捗
①ヘルスサーベイ(社内健康意識調査)における、“働きやすさ”の平均回答スコア 7.5点 4.3点
②ストレスチェック高ストレス者率 10%未満 13.0%
③高リスク者の精密検査受診率 100%達成 88.2%

目標の設定背景

当社は、「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」の実現を目指しております。そのためには、社員一人ひとりがいきいきと持続的に働き続けることができる、エンゲージメントの高い会社組織の構築が不可欠だと考えています。
当社内の健康意識調査である「NIDECヘルスサーベイ」の分析結果から、“エンゲージメント”と“働きやすさ”のスコアの相関関係に着目し、健康経営では特に“働きやすさ”スコアの改善につながる施策を推進していきます。“働きやすさ”スコアの改善には、組織開発や生産性向上に資する仕組みの充実化に加え、心身の健康を維持・増進する取り組みも効果を発揮すると考えており、高リスク者への対応やメンタルヘルス対策を進めていきます。

課題の改善に向けて

“働きやすさ”スコアの改善に向け、1on1ミーティングやキャリアプランシートの導入による上司・部下間のコミュニケーションの活性化や、職場ごとのワークショップ実施による組織活性化を図っています。また、時差勤務制度や在宅勤務制度の拡充等、制度面での環境整備にも取り組んでいます。心身の健康を維持・増進する取り組みについては、高リスク者への対策として、健康診断結果に応じた個別保健指導の実施や精密検査受診勧奨等を効果的に実施するほか、傷病の発生予防として、当社産業医・保健師によるオンラインセミナーの実施により社員の健康リテラシーを高めるとともに、敷地内完全禁煙の実施や運動習慣の推奨を通じて社員の行動変容を図っています。また、メンタルヘルス対策としてストレスチェック実施後の集団分析、フォロー強化を進めていきます。上記の結果として“働きやすさ”スコアの改善、ひいては、エンゲージメントの高い会社組織を実現していきます。

禁煙推進

喫煙・受動喫煙による健康リスク低減に向け、グループ全体で禁煙を推進しています。2021年度には、3ヵ月単位で禁煙時間を設定、段階的に拡大していき、国内事業所の敷地内完全禁煙を達成しました。吸う人も吸わない人も、お互いに理解しあいながら、自分自身の健康、周囲の大切な人のために、前向きに禁煙に取り組んでもらえるように支援しています。

健康セミナー

社員の健康リテラシー向上を図り、当社社員全体の健康状態の改善・向上に繋げるべく、2020年度より当社産業医による健康セミナー映像の社内展開、管理職を対象としたeラーニングを実施しています(2024年度は550名が健康セミナーを受講)。健康診断を委託している外部機関のアドバイスを受け、社員からの要望が高いテーマや健康課題に直結するテーマを中心に取り上げています。(テーマ例:食事、がん検診、メンタルヘルス等)また、新入社員を対象に、入社時研修の中でメンタルヘルスや労働安全衛生についての教育を行っており、2024年度は58名が受講しました。

社内ヘルスセミナーWEBコンテンツ

健康管理

社員の健康を害するリスクを事前に把握し、指導を行うため、安全衛生管理担当者が職場巡視を実施しています。また、月1回は産業医と保健師が同行し、機械設備や器具などの稼動状況、作業姿勢や身体的な負荷の度合いを重点的に確認し、指導を行っています。巡視結果は、月1回開催される安全衛生委員会で報告され、好事例や注意点を共有しています。加えて、同委員会では産業医・保健師による安全と健康についての研修も実施しており、より快適な職場環境づくりに注力しています。

感染症予防(グローバルな健康課題含む)

社員の感染症を予防するために、国内事業所においてはインフルエンザワクチン集団接種の場を設け接種を推奨しています。さらに健康診断においては胸部レントゲン検査を通じて結核感染の予防に努めています。また、当社は世界の様々な国、地域に拠点を有する企業として、世界的な健康問題である、HIV / AIDS、結核、マラリアなどを含む各種感染症に対応することの重要性を認識しています。社員を海外に派遣する際には、本人と帯同家族の感染症リスクを低減するため、外務省が推奨する予防接種の受診を支援しています。
また、海外赴任時および海外赴任中の社員に向けた厳密な健康管理基準を策定し、 健康診断結果を通して社員の健康状況を確認することで、社員が健康に不安を抱えることなく活躍できる環境を整備しています 。加えて、海外赴任者およびその帯同家族の加入するグローバル医療保険では、赴任先国・地域に応じて医師と自宅にいながら会話ができるテレヘルスや心理カウンセリングを受けられるアシスタンスプログラムなどのサポートを通して、言語や文化の障壁があっても医療サービスに容易にアクセスすることが出来ます。

メンタルヘルスケア

健康を維持するためには、心身の健康のバランスが大切です。年1回の定期健康診断、特殊健康診断、ストレスチェックの実施はもちろんのこと、社員が心の健康を保つために必要な事柄を紹介するメンタルヘルス講習を実施しています。そのほか希望に応じて社員が産業医や保健師と面談できる機会も設けています。

数字で見る健康経営

※1 2022年度は測定実績なし

※2 ヘルスリテラシー状況はCCHL尺度を利用。
プレゼン/アブセンティーイズムはWHO-HPQ尺度を利用。
ワークエンゲージメントはユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度を利用。

※3 2024年度は健康増進プログラムの内容及び集計方法を変更したことに起因して実績値が低下。