会社名
ニデック株式会社
代表者名
代表取締役社長執行役員 岸田 光哉
取引所
東証プライム(6594)
所在地
京都市南区久世殿城町338
問合せ先
コーポレートコミュニケーション部長 渡邉 啓太
電話
(075)935-6150

2025 年 6 月 18 日付「有価証券報告書の提出予定日の変更について」でお知らせしたとおり、当社は、当社の連結子会社で、家電・車載事業統括本部家電産業事業本部配下の NIDEC FIR INTERNATIONAL S.R.L.(イタリア所在。以下「FIR 社」といいます。)に関する貿易取引上の問題及び関税問題に関し、社内の更なる調査・検討を行い、この問題への対処を進めております。
当社は、この関税問題に関連し、企業内容等の開示に関する内閣府令第15条の2第1項に規定する有価証券報告書の提出期限延長に関する承認申請書を、関東財務局に提出することを決定いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
株主・投資家の皆様をはじめ関係各位におかれましては、ご迷惑とご心配をお掛けしておりますこと深くお詫び申し上げます。

1.対象となる有価証券報告書

第 52 期有価証券報告書
(自 2024 年4月1日至 2025 年3月 31 日)

2.延長前の提出期限

2025 年 6 月 30 日

3.延長が承認された場合の提出期限(予定)

2025 年 9 月 26 日

4.事案の概要

FIR 社は、2018 年 4 月から 2023 年 9 月までの間、FIR 社のイタリア工場において、中国製の部品を用いて製造されたオーブン用モータを米国に出荷し、FIR 社自身が輸入を行っておりました。当該モータについては、米国の関税法及び規制に照らすと、その原産地はイタリアではなく中国とされるべきところ、FIR 社は、当該モータの原産地をイタリアと取り扱っており、そのため FIR 社は、原産地が中国であるオーブン用モータを米国で輸入するにあたり支払うべき追加関税を支払っておりませんでした。

FIR 社は、2023 年 9 月、オーブン用モータの生産出荷を停止し、主要部品の調達先および製造工程の変更(以下「本件工程変更」といいます。)を実施するに至っているところ、それとほぼ同時期に、FIR 社の親会社である NIDEC AMERICAS HOLDING CORPORATION (以下「NAHC」といいます。)は、外部の専門家に対し、FIR 社のイタリア工場製造のオーブン用モータに係る原産地がイタリアとされていたこと(以下「本件原産国表示違反」といいます。)の発生理由・経緯等の調査を委託しました。当該委託に係る調査(以下「本件外部先行調査」といいます。)にあたっては、欧州個人情報保護規則のクリアランスの取得手続き、フォレンジック調査等に時間を要したことから、NAHC に対する当該調査の結果報告書(以下「本件先行調査報告書」といいます。)の提出は 2025 年 3 月 5 日に行われ、翌日、NAHCは当社に対し本件先行調査報告書を提出しました。

当社は、2025 年 3 月 31 日に会計監査人に対し本件原産国表示違反を通知しました。本件先行調査報告書を検討した結果、本件先行調査報告書において、指摘がなされているものの詳細が不明とされた事項につき、当社による社内調査(以下「本件社内調査」といいます。)を実施することとしました。当社は、2025 年 4 月 14 日、上記の事項について調査検討を行うための社内調査委員会(以下「本件社内調査委員会」といいます。)を設置し、2025 年 5 月 28 日、その時点における調査内容を記載した調査報告書(以下「本件社内調査報告書」といいます。)を作成しました。

当社は本件社内調査報告書の内容等についてさらに検討した結果、本件社内調査の調査対象事項に関する事項のうち、本件外部先行調査の調査対象となった製品(オーブン用モータ)以外に FIR 社において原産地誤りが存在するか否か等について、外部の専門家に調査を委託することと致しました。そして当社は、2025 年 5 月 29 日、この調査(以下「本件外部調査」といいます。)を外部の専門家に委託し、当該専門家からは、2025 年 6 月 11 日、本件外部調査に係る調査報告書(以下「本件調査報告書」といいます。)が当社に対し提出されました。

本件調査報告書においては、FIR 社のオーブン用モータの原産国(イタリア産)を決定する 2023 年 12 月から現在までの方法は適切であるとされたものの、FIR 社の製造するオーブン用モータ以外のモータの原産国については、米国の原産国判定基準では中国産であると判定される可能性が高いことが判明しました。これに対し、当社は、該当製品の原産地を中国として輸入申告する場合を除き、該当製品の米国への出荷および輸入を停止するよう、また、誤りのある原産地申告につき米国税関当局への自主開示を行うよう、2025 年 6 月に FIR 社に指示しております。

外部専門家による本件調査報告書を確認した本件社内調査委員会は、本件調査報告書に記載の外部専門家の見解等を踏まえ、①FIR 社で発生した事象に関し、FIR 社以外での発生状況等類似事象の有無及び連結財務諸表への影響の有無及び程度、②原産国違反についての関与者の評価、並びに、③内部統制への影響について、外部の専門家による助力を得ながらのさらなる調査(以下「本件社内追加調査」といいます。)・検討が必要と判断するに至っております。

5.提出期限の延長を必要とする理由

上記4のとおり、当社は、FIR 社で発生した事象に関して FIR 社以外での類似事象の有無等を調査するために本件社内追加調査が必要と判断しております。本件社内追加調査等が完了するまでは 2025 年 3 月期の連結財務諸表の内容を確定できず、当該連結財務諸表について会計監査人による監査の完了も見込めないところ、本件社内追加調査等については、その調査対象の広範性等から、完了に至るまでには相当な長期間を要するものと想定しております。そのため、法令に定める提出期限までに第 52 期の有価証券報告書の提出を行うことは困難であると判断し、当該有価証券報告書の提出期限の延長申請を決定するに至りました。

6. 今後の見通し

今回の提出期限延長に関する申請書を提出した場合は、速やかに開示いたします。

以上