日 本 電 産 株 式 会 社
広報宣伝部長 生 島 志 朗

当社は2月4日に取締役会にて決定した役員人事につき、同日記者会見を開催しました。記者会見における当社出席者の発言要旨は以下の通りです。

 

永守重信 代表取締役会長(最高経営責任者)

現在、当社は過去になかったトラクションモータシステムを世界中に供給するため、EV関連で大きな投資をしている。これまでも電動パワーステアリング用や電動ブレーキ用という命に関わるモータを生産し、高い実績をマーケットから評価いただいているが、トラクションモータはエンジンに代わるモータであり、過去に経験のない技術革新が必要で、ものづくりが非常に重要な課題になってくる。社運をかけているこの事業をきちんと指揮するものづくりのプロに参画してもらうということが、今回の社長交代の主眼である。
吉本は大変なハードワーカーで潜在能力も非常に高いが、厳しい外部環境のなかでこの規模の会社を経営するにはもう少し経験を積んでもらったほうがいいという判断をした。当社は実力実績主義であり、再チャレンジが可能である。若い吉本には経験を積んで再チャレンジしてもらいたい。
関氏の入社にあたり日産自動車に大変なご迷惑をお掛けしたことはお詫びしないといけない。ただ、1973年に創業しゼロからスタートした当社を10兆円企業にしたいという夢を持っているので、10兆円企業を日本にもう1社増やすことに偉大な日産から一人の力をお借りしたい。10兆円企業をともに作り上げてもらえる同志を加え、頑張っていきたい。

関 潤 新代表取締役社長執行役員(最高執行責任者)*

前職では約34年間のうち20年間をエンジンの製造の現場で戦ってきた。当社の製品や工程とは類似しており、非常に馴染みやすい。残りの14年間のうちの半分は計画・企画の、最後の残りの半分は販売や経営の経験を積んできた。2013年から17年までは中国のカーメーカーとの合弁企業のトップも経験してきた。そういう意味で今回、ものづくりの現場での強みを評価いただいていると認識しているが、自身の総力を注いで10兆円の道をともに作りたい。
企業のサステナビリティは成長のもとにしか存在しない。お客様、株主・投資家の皆様、お取引先様、そして何より従業員に対して、成長を担保することが唯一無二のサステナビリティである。企業成長の究極のターゲットである10兆円を次に達成するのは我々だと信じ、それに貢献するために入社した。
2030年には一般に予想されているよりEV化が進み、年間9000万台の新車需要のうち少なくとも30%、3000万台がEVとなる。その急増する需要に追従できる生産の足腰を作り上げる。トラクションモータは車のドライバビリティに直接影響するため、車のことが分かるプロを確り育てていきたい。
私の最初の役割は車載事業の成長と利益貢献で、それはやれると感じている。ただ、当社には精密小型、家電・産業、その他の事業があり、そのすべてを伸ばさないと10兆円には届かない。今、世の中にまったくないものが伸びると一番成長するものだ。精密小型、家電・産業、その他の事業でもそういった大きなビジネスチャンスを掴み、10兆円に向け総力戦で臨むつもりだ。

* 新役職は2020年6月17日付(予定)

以上