2019年度特集 - 新たな環境戦略への挑戦

1. 環境に対する世界と
日本電産グループの取り組み

日本電産グループと気候変動問題

1998年~2007年:気候変動の社会課題化と日本電産グループの環境重視経営の始まり

気候変動問題に対する世界的な議論は、1992年にリオデジャネイロで開催された環境と開発に関する国際連合会議(リオ地球サミット)より始まります。ここで採択された気候変動枠組条約によって毎年締約国会議(COP)が開催されることとなり、1997年のCOP3で京都議定書が採択されました。以降、環境・気候変動対策への社会的な関心が高まることとなります。
日本電産本社も1998年、社会要請に応える形で初めてISO14001認証を取得しました。京都議定書の発効前年である2004年には環境理念の刷新と環境方針の制定を行い、環境マネジメントシステムを強化しました。現在のCSR報告書の前身である環境報告書も同年より発行を開始しています。

2008年~2018年:深刻化する気候変動問題と活発化する企業の動き

各国政府が気候変動対策に乗り出したものの、先進国と新興国の対立から大きな進歩は見られずにいました。しかし、その間に企業やNPOによる民間の自主的な活動が活発になりました。
日本電産本社では2008年にCSR専任組織を発足、「CSR憲章」を制定し、当社CSRの基本理念を明らかにしました。また同時に、グループ企業をカバーする環境負荷データ収集体制の整備を進めました。2010年からは、企業の環境負荷データや気候変動対策への取り組みを分析・開示する情報プラットフォームであるCDPを活用するなど、今日に至るまで継続的なデータ開示を行っています。

2019年:新たな挑戦の開始

気候変動を食い止めるためには、化石燃料由来のエネルギーから脱却し、世界で必要なエネルギーのほぼすべてを再生可能エネルギー由来の電力で賄う未来を実現しなければなりません。日本電産グループはあらゆる分野に省エネモータを供給することで、様々な製品の電化と世界の電力消費量の削減に貢献します。また、電力貯蔵システムを供給することで、再生可能エネルギーの普及にも貢献します。
さらに、日本電産グループ自体が事業を通じて排出するCO2を削減するために、SMART2030という新たなプロジェクトを始動させています。工場・事業所の規模にかかわらずCO2排出総量そのものの削減を目標に定めているこのプロジェクトは、気候変動問題に有効な一手を打つために必須の布石です。

気候変動戦略、進化の時

2015年のパリ協定を境に人々の気候変動問題への意識が変わりました。気候変動問題は今や世界全体の最優先緊急課題と認識されつつあります。
深刻な気候変動をもたらす地球温暖化の主因はCO2の増加です。CO2の排出が多い企業は実質的な排出ゼロを目指す脱炭素の取り組みをも求められるようになっています。

日本電産グループは、2004年より3年ごとの環境保全活動中期計画を実施してきました。売上高あたりCO2排出量といった原単位を使って、CO2排出などを原単位で年率1%程度削減する計画です。排出量が増えても売上高がそれ以上に増えている場合は効率化できているので評価するという考え方になっています。
しかし、パリ協定以降はそのような評価では許されなくなりました。
そこで日本電産グループは、2019年に気候変動対策として新戦略SMART2030をスタートさせました。SMART2030では原単位の考え方をやめ、CO2を含む温室効果ガス排出総量を2030年度に2017年度実績比で30%削減する目標を掲げています。増収増産しながら排出量を大きく削減していくという極めて難しい目標に挑戦していきます。
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世界のCO2排出量の分野別内訳を見ると、発電分野が最も多い42%を、続いて輸送分野が24%を占めています※。パリ協定が目指す脱炭素社会の実現には、CO2を排出しない発電や輸送方法に切り替える必要があります。例えば、火力発電から太陽光発電等へ切り替えたり、ガソリンや軽油で走る自動車から電気自動車(EV)へ切り替えたり―日本電産グループは、これらの実現に寄与する画期的な製品を供給しています。
輸送分野では、EVでガソリン車のエンジンに相当するトラクションモータを供給しています。EV市場ナンバーワンを目指し、自動車の脱炭素化を先導していきます。
発電分野では、再生可能エネルギーの安定供給を支える電力貯蔵システム(BESS)を提供しています。BESSによって、再生可能エネルギーの効率活用を実現していきます。

※出典:国際エネルギー機関(IEA)「燃料の燃焼による二酸化炭素排出量2018」世界の二酸化炭素排出量(燃料由来、2016年)

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CO2の排出源は産業活動だけではありません。個人の日常生活からも多くのCO2が排出されており、日本の場合、家庭からの排出量が全排出量の1/6以上を占めるといわれています。
深刻な気候変動を避けるためには2050年までにCO2排出を実質ゼロにしなければならないともいわれています。非常に難しいこの目標に、日本電産グループの世界各地で働く約11万人の社員一人ひとりが真剣に向き合い、挑戦してほしいと考えています。
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