Nidecの技術力

FDB(流体動圧軸受)技術

流体動圧軸受の開発・製造にいち早く着手。
HDDの高密度化、静音化を大きく加速。

サーバやPCの高性能化を握るHDD。ディスクの平滑度、磁気記録方式、ヘッドの感度などさまざまな要因によって、HDDの高密度化、大容量化は進められてきましたが、1990年代末からHDDスピンドルモータの軸受の振動が書き込み/読み取り精度に大きく影響を与えるようになりました。

日本電産がFDB(流体動圧軸受)を使用したHDDスピンドルモータ量産を他社に先駆けて開始したのは1994年のことでした。2000年前後から生産量は増え、2002年頃にはHDDスピンドルモータ用軸受として、FDBが主流となります。その理由は、HDDの記録密度が飛躍的に高くなり、従来のボールベアリングでは、ボールの不均一を完全になくすことは原理的に不可能であるからです。そのばらつきによってNRRO(Non Repetitive Run Out)、いわゆる周期性のない振動が発生し、微細化・高密度化した記録トラックへの書き込み・読み取りに支障をきたすようになってきたのです。

ボールベアリングでは精度に限界がある

ボールベアリングの模式図。ボールの大きさにはごくわずかだがばらつきがあり、内輪が回転すると回転数に同期しない中心軸のぶれが起きる。これを「NRRO」(Non-Repetitive Run Out)と呼ぶ。

FDBは、軸受と軸の間にオイルなどの流体を介し、軸の回転によって発生した流体の動圧によって、軸受から軸が浮揚し、滑らかに回転します。オイルの持つダンピング特性により低騒音、低振動が期待できます。

この流体動圧軸受の原理そのものは、1883年に英国の鉄道技師タワーによって発見されていました。古くから知られた原理を応用すれば、ボールベアリングによるNRROの限度をはるかに超える精度の軸受が実現することは広く知られており、HDDへの応用研究も各社で競って実施されていました。そうした中で日本電産はいち早く量産化にこぎ着け、HDD用スピンドルモータNo.1の座を維持し、今日では世界シェアは80%を超えるまでに至っています。

表面にパターンが形成された軸が回転することによって、オイルに動圧が生じ、軸受から軸が浮揚する。オイルによる振動減衰、衝撃吸収の効果が期待できる。

FDBの持つ低騒音・低振動性、耐衝撃性、低消費電力、長寿命という特性は他分野にも応用可能で、サーバ、ノートPC向けのファンモータにも搭載されています。日本電産では、こうした応用分野の拡大のみならず、FDB本来の機能の追求にも力を入れています。たとえばモータの挙動をシミュレートするソフトウエアを自社開発、より薄型でより高性能なHDDスピンドルモータの開発設計を短期に行うことを可能にしています。同時に、FDBに使用するオイルについても研究を行い、より低フリクション、より長寿命のニーズを満足するオイルの開発にも挑戦しています。

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