ソリューション事例

パワーステアリング用の小型高精度モータ

限られたスペースに格納できるパワステ用小型高精度モータで、
安全・快適なドライブに貢献

NEEDS
スムーズな操舵とデザイン性の高い自動車を作りたい
SOLUTION
生産工程を考慮した上でモータの設計を一から見直し、コギングトルクの製造バラツキを10分の1にし、同時に低減化を図った。更に約半分まで小型化を実現

モータの宿命であったコギングトルクを大きく低減しスムーズなステアリング操作を実現

自動車のハンドル操作をアシストする「パワーステアリング」。かつて一般的だった油圧式に変わり、現在の主流はモータで駆動する電動式で、電動パワーステアリング(以下、EPS)用モータは、自動車に欠かせない部品となっています。
日本電産では2003年からEPS用モータを供給。エンジンルームの限られたスペースに収まるコンパクトさと、スムーズな操作感が評価され、マーケットリーダーとしての地位を築いています。

EPSで重要視されるのがスムーズなアシストです。アシストにムラがあると、フィーリングを損ない、ドライバーが違和感を覚えるだけでなく、ハンドリングの正確さも損ないます。油圧式は、その機構によって強められた力がダイレクトにシャフトに伝えられますが、電動式では、ドライバーがハンドルを切り始めたタイミングでモータを回しはじめ、ハンドルを切る速度を検知して制御する必要があります。

もっとも課題とされたのが、コギングの低減です。コギングとはモータシャフトを指で回したとき、ロータの歯と永久磁石の作用によって感じるゴツゴツとした反抗力です。

EPSの仕組み。ハンドルに力を加えることでモータが通電し、タイミングを合わせてアシストする

コギングは通電していないときに発生するもので、磁石を使っている以上避けることのできないものですが、モータがステアリングに力を加えはじめたときの「コツン」というわずかな脈動に違和感を覚えるドライバーは多く、油圧式のパワーステアリングには及ばないという声が根強く残っていました。

小型化、耐熱性能の向上、量産化への要望にも対応し、マーケットを牽引

他方、20年近くにわたり一貫して最重要課題とされてきたのが小型化です。エンジン車においてステアリングの周辺は、部品、装置が集中しており、一つひとつの部品に許されるスペースは非常に限られます。2003年の第1世代から現行(2021年現在)の第4世代まで、世代ごとに10〜20%の小型化を実現し、半分以下までのサイズダウンに成功しています。

耐熱性も大きく向上しています。第1世代では車室内に設置されていましたが、第2世代からは排気管などが近く、厳しい熱環境にさらされるエンジン下のステアリングラックの部分に変更。求められる耐熱温度の要件はそれまでの85度から140度まで上昇しました。これに対応するため日本電産では、磁石の素材の配合や配向を徹底して見直し、過酷な熱環境下でも安定した性能を発揮するEPS用モータを開発しています。

これらの基礎技術に加え、設計を極めてシンプルにするなどして量産技術も洗練させるなどして、価格も抑えることにも成功。市場からの期待に応えています

世代を経るごとに、小型化、耐熱性、耐久性が向上。自動運転化への対応が見込まれる次世代では、モータだけでステアリングを動かすことのできるレベルの出力の向上も視野に入れている。

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